元日に発生した能登半島地震を受け、緊急消防援助隊神奈川県大隊は1月9日から被災地で活動を続けている。石川県輪島市町野町(まちのまち)に派遣された戸塚消防署の吉田特別救助隊らに、現地での救助活動について話を聞いた。
県大隊は、消防庁から1月8日に出動要請を受け、2月2日時点で496隊1713人を派遣している。
吉田消防出張所の吉田特別救助隊は、1月12日から17日の二次派遣で町野町へ、27日から2月1日の七次派遣で輪島市市(いち)ノ瀬町(のせまち)に行き、土砂災害現場で安否不明者の捜索にあたった。
二次派遣で向かった鹿嶋拓也隊長ら5人は13日、宿営地がある能登町に到着。14日早朝、消防車で入れる場所まで行き、災害現場までは山道を2時間半ほど歩いて進んだ。天候は晴れだったが積雪が多く、佐藤都至道隊員は「雪の下が地面なのか空洞なのか分からない状態でスコップでかき分けたり、足で踏み固めながら道なき道を進んだ」と話した。巨大な岩や木、土砂が崩れた現場での作業は15日も続き、両日4時間に及んだ。
折り重なる倒木をチェーンソーで切ったり、粘土質の重い土砂をかき分けたりし、自転車のサドルやサンダルなどの生活痕は見つかったが、不明者の手がかりとなる物の発見には至らなかった。鹿嶋隊長は「初めて災害派遣に参加した者もいる中、隊員の安全を守るため常に周囲を見渡しながらの活動は緊張した」と振り返った。
救急待機で調査も
18日から23日の四次派遣で、大正消防出張所の大正救急隊の一員として参加した松ヶ迫(まつがさこ)勝也隊員は、町野町の避難所となっている東陽中学校で20日と21日、救急要請に備えた。年間出動要請が200件程度の町で、元日から19日までの出動は1日10件超と逼迫した状況だった。金沢市への二次避難が行われたため、20日以降の出動要請は減ったが、2日間は救急車で町を巡回し、地盤が上がって通行不能となっている場所や電波がつながりにくい箇所などを町の人に聞きながら調査した。
備えの見直しを
戸塚消防署からは、1月9日の一次派遣から2月2日の九次派遣までに、救助隊や救急隊のほか、深谷消防出張所の消防隊、後方支援を行う小隊も含め、20人が被災地に派遣されている。
鹿嶋隊長は活動を通じ、「区民の皆さんには自宅の安全対策と備蓄の見直し、自宅や職場の避難先の確認、防災訓練の参加をして災害に備えて欲しい」と話している。
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