乳がん手術で乳房を摘出した女性専用の下着「+facile(プラスファシーレ)」を開発。パッドの入れ込み方法や縫い目の位置、素材と伸縮性など、細部にまでこだわりが詰まっている。
開発者は乳がん経験者の田中由香さん。約6年前、由香さんと妹はほぼ同時期に乳がんが発覚。由香さんは右胸を切除、妹は両胸を摘出した。
製作のきっかけは、筋力の低下に不安を抱える妹の姿や、切除後に背中のむくみに悩む自身の経験。快適な下着を作りたいと、得意の裁縫を生かしながら試行錯誤を重ねてきた。大阪の下着メーカーとの出会いをきっかけに、商品化が前進し2020年には特許を取得した。
由香さんは「見えない部分なのに、他人からどう思われているかが不安になる」と語る。快適に身に着けられる下着には「これまでと変わらないを叶えたい」という思いが込められている。
娘の咲桃子さんは、治療と製品開発を並行する母親に寄り添ってきたもう一人の開発者だ。「罹患した人にしかわからないこともあるので、そばにいるだけでいいんです」と思いを語った。由香さんは「なぐさめあいでなく、がんをばねに頑張る人のために作り続ける」と前を向いた。
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