戸塚区の34代目の新区長に近藤武氏(55歳)が4月1日、就任した。今年1月の能登半島地震にもふれ、備蓄や減災に向けた自助の取り組みを周知することや、駅周辺の賑わい、豊かな自然といった区の魅力などを語った。
市内出身で地元に
近藤区長は港北区生まれ金沢区育ちで1993年に横浜市役所に入庁。西区役所からキャリアをスタートし、区役所では中区や港南区を歴任。2014年に財政局契約部で契約第二課長、21年からは健康福祉局健康安全部でワクチン接種調整等担当部長を1年半担当し、直前は総務局副局長(総務部長)を務めた。
――まずは区長就任についての思いから教えてください。
「長い歴史があり、豊かな自然に囲まれる一方で、商店街の賑わいやスポーツ、文化、ものづくりなど、たくさんの魅力にあふれるこの戸塚区で、未来へつなぐ一翼を担わせていただけることに大きな喜びと責任を感じています」
――戸塚区の印象はいかがですか。
「3月末に行われた戸塚桜まつりに参加させていただきました。咲き始めた桜の中で、地域の皆さまや多くの来場者の笑顔にも触れることができ、人のつながりを大切にする温かいまちという印象で、地元戸塚に対する愛を感じました。
戸塚区は市内最大の面積を有し、商店街やストリートライブなど駅周辺の賑わいや農業や里山の原風景を感じられる豊かな自然、高度な技術や伝統的な製品といった『ものづくり』等、多種多様で豊かな魅力に満ち溢れている区だと思います」
――今年度の区事業について教えてください。
「戸塚区では毎年約2000人の新生児が誕生し、出生率も市内では上位です。市が掲げる中期計画の基本戦略『子育てしたいまち、次世代を共に育むまちヨコハマ』の実現に向け、人と人とのつながりを大切に、子育て支援などの福祉保健分野をはじめ、地域のさまざまな活動を支援するとともに、防災・防犯に取り組み、誰もが安全に安心して暮らせるまちを目指します」
「桜並木の景観を未来に」戸塚区・近藤区長インタビュー
―― 「災害に強いまちとつか」として、新規事業でも防災・減災強化事業を盛り込んでいます。
「豊かな自然の緑や川の流れは心の癒しになります。一方で、大型の台風や豪雨により川の氾濫やがけ崩れなどが生じると、私たちの命を脅かすような脅威となります。1月に能登半島地震が発生し、その後も各地で大きな地震が起こっています。横浜も例外ではなく、いつ大きな地震が起きてもおかしくないと言われています。
皆様には、発災時のための備蓄や減災に向けた自助の取り組みを分かりやすくお伝えします。マンションなど共同住宅が多いという区の特徴を踏まえ、町の防災組織の活動を支援するとともに、地域防災拠点の防災力の強化を図るなど、防災・減災対策を進めます」
――柏尾川の桜並木保全の今後はどうですか。
「戸塚区のシンボルである柏尾川沿いの桜並木は、老齢化や病害等により、倒木の恐れがある桜が増えており、安全対策として伐採する必要があります。そのため、令和6年度に地域の皆さまと一緒に『柏尾川桜並木』の保全・再生計画を策定します。計画的に伐採と植樹を行い、150年続く柏尾川桜並木の景観を未来に引き継いでいくための取組を進めます。
複数年の継続的な取り組みと費用が必要となりますので、ふるさと納税の活用を検討するなど計画を応援してくれる人たちを多く募っていきたいと考えています」
――音楽での地域活性にも力を入れています。
「活気に満ちた魅力あるまちづくりの一環として、『とつか音楽の街づくり事業』を進めています。毎月の『区民広間コンサート』や定期的に行われる『とつかストリートライブ』のほか、夏と春には複数会場で音楽の祭典を実施し、戸塚駅周辺は音色が響き渡り、様々なジャンルの音楽をお楽しみいただけます」
――休日などプライベートはどのように過ごしていますか。
「休日は、娘二人と近所の散歩や、部屋の模様替えなどDIYをして過ごしています。また、スポーツ観戦が好きで、特にラグビー、サッカー、野球をよく見ています」
――区民へのメッセージをお願いします。
「戸塚区が魅力に溢れ、将来にわたって『住みたい、住み続けたいまち』であり続けられるよう、地域の皆さまを始め、戸塚に関わるすべての人たちとのつながりを大事にしながら、区役所が一丸となって、全力で区政運営に取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします」
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