松陽高校で中学生対象のバスケットボールスクールをこの春設立した 阿部 哲也さん 戸塚区汲沢在住 72歳
努力にまさる「夢中」を
○…県立松陽高校の体育館でこの春から、中学生らを対象にしたバスケットボールスクール「セカンド松陽」がスタートした。部活動の縮小が進む中、「中学校の先生の負担を減らすとともに、バスケが好きな中学生にとっても良い交流の場になれば」との思いが原動力だ。同高バスケ部OB・OGとともに月2回活動しており、早くも体育館には活気と笑顔があふれている。
○…同高ではかつてバスケ部顧問として全国大会に7度導いた実績も。「ひとえにミニバスや中学の指導者のおかげ。今回の活動は恩返しの意味もある」と語る。昨年、非常勤講師として同高に戻り、再び部にかかわるように。現在の顧問を信頼しているからこそ「中学生や中学校の先生に松陽の魅力を知ってもらえたら」との思いもある。
○…品川区出身。都立大森高校で本格的にバスケに熱中し、日体大に進んだのち、恩師の影響で自身も教員の道に。「先生からの一方向でなく、生徒への問いかけが大事。やっぱりそれが指導につながる」。生徒の変化を見守り、寄り添う――。一方で「自分の可能性にふたをしてはいけない」と、力強く生徒の背中を押してもきた。そんな姿勢を今なお慕う、かつての教え子たちが活動を支える。「彼らの協力なしでは成り立たない」と感謝を口にする。
○…「日々努力。そして努力にまさるのが『夢中』になること」。バスケを通じ、スポーツの楽しさを伝えたいと願う。スクールの合言葉も「さあ、今日も明るく元気にがんばろう」。活動を重ねるうちに、参加する中学生たちも学校の垣根を越えて打ち解け始めている。「進路にかかわらず、教え子はどの生徒も大事にしたい」。出会いを大切にしながら、力強く動き始めた。
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10月24日