戸塚区・泉区から多文化共生を広げる任意団体「ブレーメン」の代表 下郡(しもごおり) 麻子さん 領家在住 58歳
「互いを認める場所が必要」
○…国籍や民族が異なる人同士が互いの文化的差異を認め合い生きる「多文化共生」を、戸塚区・泉区から広げようと今年5月に任意団体「ブレーメン」を立ち上げた。「メンバーは3人。始まったばかり」と3回目のイベント開催を控え、緊張の面持ち。日本文化を伝えたり日本語を教えたりする一方からの支援ではなく、目指すのは「歌やアート、スポーツなど誰でも楽しめるフラットな場所づくり」。
○…人生の転機は、大学3年時に副専攻として学んだ日本語教育学。「現場で教えてみたらと教授の勧めで、日本語教室に片っ端から電話をかけました」。アルバイトで始めてから30年以上、今も教壇に立ち続ける天職となった。一方でここ数年、かつての教え子に近況を聞くと「職場や地域に馴染めず、帰国する人が多い。成績も高く、技術もあるのに」。思いが原動力となり多文化共生社会の創造が新たなライフワークに。今後は「日本でうまくやってる卒業生や外国人を受け入れてる企業など、好事例の発信もしていきたい」
○…自身のもう一つの軸は、ゴスペル。「昔から歌うのが好き。『天使にラブソングを』を見て、ゴスペルいいなって」。偶然、緑園で活動する団体を見つけたのが34歳の時。現在、当時のメンバーも合わせて5人で「横浜ファンキーシンガーズ」として活躍している。「歌っている時にメンバーみんなで共鳴する感じがたまらない」
○…「『同じ国同士でいた方が楽でしょ』というのが、大多数の日本人の考えかも」。しかし海外出身者も日本人と同様に地域の一員として生き、就職・子育て・老後など社会と密接に触れ合う。だからこそ「まずはお互いを日ごろから認識できる場所が必要。仕掛け屋さんになれれば」。
|
|
|
|
|
|