二輪車事故は県平均超え
戸塚区内の事故発生状況は10月末時点で、420件(前年同期比マイナス19件)。死亡事故は2件(11月28日時点)となっている。
その中で二輪車が関係する事故は134件(昨年同期比マイナス13件)。全体の31・9%にあたり、県下の平均28・0%を上回っている。戸塚署交通課の川村秀顕課長は「減少傾向だが、注意が必要」と話す。
国道1号や環状3、4号線など大きな道路が走る戸塚区内だが、事故が起きやすいのは身近な生活道路だという。日々通り慣れた道や安全だと思い込んでしまう場所などは気が緩み、出会い頭の事故や漫然とした運転につながりやすい。
さらに注意したいのが、横断歩道上の事故。信号の有無にかかわらず、全国的に多発しているという。「歩行者が通る道として、安全だと思いがち。実際には、車が通る道路を横切るので危険と隣り合わせ」と川村課長。
運転者は横断歩道前では必ず左右を確認して、必要であれば余裕を持って徐行・停止も必要だという。一方、歩行者も青信号であっても「車は来ない」と過信せず、左右を確認してからの横断が肝要となる。
自転車の法改正
今年11月1日に、道路交通法の一部が改正され、自転車に関する罰則が強化された。
自転車で走行しながら、携帯電話などを持って操作したり注視したりする、いわゆる「ながらスマホ」をしていた場合と、ながらスマホによって事故などの交通の危険を生じさせた場合には、罰金または懲役が科されることとなった。
さらに、自転車の酒気帯び運転にも厳しい罰則が新設された。運転者本人だけでなく、酒を提供した人や自転車を提供した人にも罰則が設けられている。
川村課長は「忘年会シーズン。お家で数人で飲んでいて、終電がなくなったから自転車を貸す……。こんなケースがあるかもしれないですが罰則対象です」と注意を呼びかける。
暗さ・寒さに注意
本格的な冬が近づくこの時期。朝・夜は暗い時間が長く、通り慣れたいつもの道でも油断は禁物。歩行者や自転車は、運転者から発見されづらくなる場合があるので、反射材の使用や万が一に備えてヘルメットを着用すると安心だという。
また運転者は寒さで体がこわばると、視界が狭まったり、咄嗟の回避に遅れが出たりすることがあるという。事故を起こさないために普段から「『止まるべきところで止まる』ことを心がけましょう」。
さらに、クリスマスや忘年会などイベントごとが増えるこのシーズン。泥酔した人が道路上で眠っていることに、走行車が気づかず轢いてしまい、亡くなるケースもあるという。
ニュース番組や新聞で事故の報道を見ると信号無視や確認不足など、さまざまな事故原因に目を向けがちだが、川村課長は「進む方向をきちんと見る。それだけで大小問わず事故の多くは防げるはず」と語る。
「基本的なことは誰もがしなければいけない、逆に言えば誰でもできることなんです」。交通安全対策は、今日から始められる。
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