セカンドシーズン 連載【4】 介護の「本質」考えてみませんか 「温度差へのバリアフリー【1】」
本格的に寒くなる季節になりました。
そこで、今回は介護現場で細心の注意を図らないといけない事の一つであり、介護現場以外の普段の生活でも注意が必要な「ヒートショック(=急激な温度差から起こる重大な健康被害)」について書かせていただきます。
ヒートショックの危険性が高い方は、高齢の方だけでなく高血圧症・糖尿病・脂質異常症の薬を飲まれている方と言われています。しかし、ここ最近では若年の方でも起こされている状況で、空調設備の進化も原因ではないかと思う点があります。では、ヒートショックが起こる温度差は何度差でしょうか?
身体的に大きな支障が出てしまう温度差は6〜10℃で、命にかかわる温度差は10℃以上と言われています。しかし、「服を着ている・着ていない」「体が濡れている・濡れていない」など、その場の環境でも違いがあります。入浴後などでは2℃の差くらいでも「寒い?」と感じたことがあるのではないでしょうか?6℃以上の温度差がないからと安心はしないようにしていただきたいと思います。
寒いと血管が収縮して血圧が上がり、温まると血管が拡張して血圧が下がる。特に入浴時は浴槽内で血圧が急激に下がることで「意識消失」をおこし、溺死してしまう事故につながってしまいます。入浴中の不慮の事故以外には、心筋梗塞や脳卒中を起こしてしまい後遺症に悩まされる生活になってしまう可能性や、血圧変動から身体的に不快を感じることで「認知症の症状」の増幅や、「認知症の進行」にもつながってしまう可能性もあります。
また、ヒートショックは冬場に起こると言われていましたが、近年では真夏に猛暑となり冷房で部屋を冷やしすぎることで「逆ヒートショック」の心配も出ていると思います。ご自分で温度管理が難しくなってしまっている方であれば、周りの方が温度の調整に努めていただくことが大切です。
その際の注意点は、「暖かくしすぎない(冬場)・冷やしすぎない(夏場)」を意識していただくことです。空調だけでなく、衣類での調整も大切になります。今年の冬は「温度差のバリアフリー」に目を向けた生活を考えていただけたらと思います。
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