矢部町に看護師育成校 4月開校 運営は栄戸学園
矢部町に「横浜未来看護専門学校」が完成した。運営するのは学校法人栄戸学園。現在は4月の開校に向けた受験期間中で、1学年60人を受け入れる。看護師不足が深刻な神奈川県で、人材育成による社会貢献を目指す。
同校は旧戸塚共立第2病院の跡地と、その隣接地に建設。栄戸学園は、戸塚共立第1病院などを運営する医療法人柏堤会(はくていかい)が母体となっている。柏堤会では約3年前から、看護学校創設の構想があったという。
両法人の横川秀男理事長は「当初は医療法人から学校を創設する予定だった」と振り返る。しかし、神奈川県の基準により専修学校の多くは原則として学校法人で設置することが決められている。2013年4月1日時点で、県内にある27校の看護専門学校のうち、医療法人立によるものは4校(准看護師養成校含む)に限られている。
幅広い学科の展開視野に
県知事から学校法人設立の認可を受けたのは、昨年10月末。構想から手続きに要した期間は約2年半に上る。横川理事長は「一時は無理かと考えた」と話す一方、「学校法人化することで、今後は看護学科を超えた分野にまで展開させることも可能になった。結果的に良かった」とも。ニーズの高いリハビリや臨床検査技師、医療事務などの学科や専門学校増設を視野に入れているという。
高齢化に対応できる人材を
厚生労働省の調査によれば、人口10万人に対する全国平均の看護職員数は1089・8人(10年時点)。横浜市は736・8人と大幅に下回っており、全国最下位だ。県保健福祉局の担当者は「看護学校を新設しようにも、小児科や産婦人科が減少しているため実習所の確保が困難」と説明する。県では潜在看護師発掘にも取り組んでいるが、大きな成果を得られていない。
戸塚区内で病院やクリニックなど12施設を運営する同法人でも、看護師不足は現実的な問題。そのため、看護師を自ら育てることは、大きなメリットになるという。横川理事長は「県からも可能な限り、県内で活躍する人材を育ててほしいとの要請を受けた」と明かす。
また、戸塚共立第1病院のように横浜市二次救急拠点病院ならではの人材育成にかかる期待は大きい。横川理事長は「超高齢化社会を目前にし、今後看護師には介護や療養分野の知識、スキルがより必要になってくる。それらを高齢者の救急医療も多く取り扱う当院の現場で身に着けることができれば」とし、「患者に寄り添える温かい心を持ち、どのような場でも通用する看護師を育てていきたい」と展望を語っていた。
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