市立倉田小学校6年1組(豊永隆博学級)の児童が2月24日に戸塚区庁舎を訪れ、昨年11月に台風被害を受けたフィリピンの復興に役立ててもらおうと、日本赤十字社戸塚区地区委員会(委員長/葛西光春区長)に義援金を手渡した。同小の児童や保護者、教職員、地域住民らから募ったもので、金額は3万7282円に上った。
5年生から持ち上がりの同学級では、「総合的な学修の時間」の授業で2年間にわたって『住みよい街倉田』をメインテーマに掲げ、学習を進めてきた。
5年時、あらゆる人々が暮らしやすい街について話し合うなかで「福祉」について学ぶことを決め、まず街に出かけて調査を実施。点字ブロック、車椅子用トイレ、授乳室などが整備された戸塚駅周辺の様子に「色々な人のことを考えた街」との印象を抱いた。
一方、それでも不自由に感じるのは誰か、また、どうすれば皆が暮らしやすい街が実現できるのかと疑問を抱いた児童らは、戸塚区社会福祉協議会に相談。そのうえで、車椅子利用者を講師に招いて話を聞いたり、視覚障害者の苦労を知ろうとアイマスク体験なども実施してきた。
6年に進級後も引き続き福祉を学んだ児童らは、「何か行動を起こそう」と募金の意味を調べ、赤い羽根共同募金に参加。使い道にも興味をもち、活動が縁でつながりができた民生委員児童委員の誘いで募金の使途の一つである高齢者が集まる会食にも出席した。
そのなかで高齢者が心の交流を求めていると感じた児童らは、以降も会食に参加。歌や将棋、折り紙などを通じて、互いに再会を楽しみにする間柄になった。
年齢差や障害の有無に関係なく”思いあう”気持ちをもつことで、誰もが幸せな社会になる――。多くの活動を通じて児童らが感じ始めた頃、フィリピンを襲った未曾有の大型台風が発生。連日報道される被災地の深刻な様子に、「心があっても動かなければ何も変わらない」と募金活動に取り組むことに。児童らは全学級を回り募金を呼びかけ、低学年にも分かりやすいように全校行事でペープサート(紙人形劇)を使って人を思いやる意義を説明するなど工夫を凝らした。
2年間にわたる活動はすべて児童が主体的に考え、行動したこと。豊永教諭は、「教師として何でもお膳立てしてしまいがちだったが、子どもの力を引き出すにはそうでないことを実感させられた」。また、児童が自ら課題を見つけ、取り組む姿勢に、「小学生もここまでやれるという可能性を見せてくれた。感謝している」と話した。また、区社協の若尾恵子事務局長も、「彼らは日本の将来を支える私たちの宝」と称えていた。
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