谷矢部池公園にすむカワセミを主な被写体としてシャッターを切り続けているのが、鳥が丘在住の光本一彦さん(74)だ。同公園愛護会のフェイスブックにも光本さんの写真が頻繁に掲載されており、玄人はだしの腕前が地域で評判となってきている。
光本さんが本格的に写真を始めたのは、長年勤め上げた銀行を定年退職した65歳から。健康のため早朝、自宅近くの同公園を散歩しているとき、カワセミが旋回しながら池の周囲を飛んでいるのを目にした。「羽根の色や姿の美しさに魅せられた。高校、大学時代からカメラが好きだったので自由な時間を手にした第二の人生で打ち込んでみようと思った」と、その動機を振り返る。
まず、高性能の望遠レンズカメラを購入、早朝と午後1時から4時頃までの間、晴れている日はほぼ連日公園に足を運び、シャッターを切り続けている。「もうそれが4、5年間続いている。年間5万枚は写真を撮っているんです」と光本さんははにかんだような笑顔を見せる。
カワセミは自らのテリトリーに他のカワセミを決して入れない習性を持つ。唯一の例外は、子づくりのためにパートナーを迎え入れるときと、生まれたひな鳥を育てるときだけ。それも1週間ほどでひな鳥が成長をしてくると、パートナー、ひな鳥ともども追い出してしまうという。「だからこの公園で長期間にわたり同じカワセミを追いかけることが可能です。自然と愛着がわいてきます」とその面白さを語る。
”専属カメラマン”へ
同公園愛護会は、1年前、身近な生活環境の課題改善のため、ハード面の整備を主体的に行う市民グループに市が助成金を交付する「ヨコハマ市民まち普請事業」に選定され、公園内に「ぷらっと谷矢部」を開所。施設内には、光本さんが撮影した公園内に咲く四季折々の花や他の野鳥などの写真がファイル化され設置されている。今では公園の魅力を伝える”専属カメラマン”的な役割も担っている。
浦島路子同公園愛護会会長は「フェイスブックも光本さんの写真を載せると華やかになる。今後も会を支援してほしい」と話し、光本さんは「この公園で豊かな人間関係を結ぶことがきて感謝している。カワセミのベストショットをこれからも狙っていく」と穏やかに語った。
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