原宿で行方不明となっていた女子生徒(13)を発見したとして、10月8日に戸塚警察署長が、神奈川県警鑑識課の警察犬2頭と同課の警察官2人を表彰した。
表彰されたのは、ラブラドール・レトリバーのゼブラ号(メス、2歳)とジャーマン・シェパードのユパ号(オス、3歳)。2頭にはビーフジャーキーが贈呈され、それぞれのパートナーを務める同課の上野和仁警部補と濱野治彦巡査部長には表彰状が渡された。
同署によると事件は9月29日、午後8時頃女子生徒が自宅から外出して以降行方が分からなくなり、保護者の通報を受け、署員10人以上が出動。1時間捜索に当たったが発見に至らず、警察犬の派遣要請をした。
深夜からの参加となった2頭。まず自宅にあった女子生徒の靴の匂いを基に捜索を開始し、1時間程して自宅付近の路上で歩いているところを発見。時刻は翌30日の午前1時だったという。
佐宗茂署長は「暗く遅い時間帯だったので、犯罪に巻き込まれるリスクもあった。そんな中発見してくれて、本当に有難かった」と感謝を述べた。
警察犬は、ほとんどが民間への嘱託で飼育管理されているが、警察直轄の訓練所も全国に28カ所あり、神奈川県では唯一栄区内に設置。今回の2頭はここから出動した。
高齢者捜索が増加
普段の訓練は臭いをかぎ分ける「臭気選別」、犯人の逃走ルートや遺留品の発見を目指す「足跡追及」、物品の臭いを元に行方不明者の捜索をする「捜索」などを行っている。警察犬には訓練や任務を「楽しい」と思わせることが大切という。
ゼブラ号とユパ号は昨年デビューであり同期の警察犬。今年に入り出動件数も多くなってきている。同訓練所の派遣要請で特に多いのは高齢者の行方不明の捜索だ。「社会問題となっているこの件で、1件でも多く貢献できれば」と上野警部補。
しかし警察犬の出動には条件がある。真夏は地表の温度が上がるため昼の時間帯は避け、日が落ちてからの涼しい時間帯などに出動が制限される。また、夜間の出勤など緊張状態が続くとストレスがかかるため、家庭で飼育される犬より短命という。
今後について上野警部補は「ゼブラ号は元気あふれる女の子。好奇心旺盛で、言うことを聞かないこともあるが、むしろ捜査に役立つこともあり、長所として伸ばす」とコメント。また濱野巡査部長は「ユパ号はオールマイティにこなして、従順。人に褒めてもらうのが好きなので、今回の贈呈品も訓練のご褒美としてあげたい」と話した。
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