新型コロナにより経済活動が大きく停滞し、企業の雇用維持が大きな課題となってきている。そうした現状の中、さまざまなハンデを持つ障害者の就業には一層注意を払っていく必要がある。区内で障害者の就労移行支援・定着に力を入れている事業所の1つ「パスセンター東戸塚」の取組みを取材した。
パスセンター東戸塚は、(一社)神奈川社会福祉支援パスセンターが運営している就労移行支援事業所。2017年に開所し、現在(6月19日時点)19人が利用している(男性12人、女性7人/平均年齢37歳)。
通所者は主にうつ病や統合失調症など精神疾患がある人。センター作成のリーフレットが設置されている区役所や病院からの紹介などで訪れる人が多いという。期間は2年間で、週3〜6日通う人がほとんど。センターではまず、通所することで生活のリズムを整えることからスタート。次の段階で就労に向けたさまざまなプログラムを体験し、その後、個々にあった就労先を職員と一緒に探しながら応募書類の書き方、面接練習、面接同行も。開所後3年間で一般企業に就職した人は27人を数える。「精神障害者の方は、変化を怖がる。しかし私たちは、乗り越えることで明るい未来があることを伝えている」。こう話すのはセンターの小島育宏次長だ。
それを実現させるため、通所者は演劇プログラム、ビジネス講座、ハローワークへの訪問、各種イベントへの参加などを経験し、仕事に向き合う力を身に着けていく。
コロナ禍での対応
コロナ流行後センター職員は、通所者が昼夜逆転や引きこもり状況に戻ることを危惧。それを避けるため、施設を開け続けたほか、テレワークによるパソコン学習を取り入れ、生活の乱れが起きない工夫を重ねていた。
また、センターがもっとも重視しているのは「定着支援」で、就職後も継続して働けるサポートを行っている。「精神障害者の離職率は高い。定着して働き続けられるかがポイントになる。丁寧に支援していきたい」と小島次長。
利用者の男性の一人は「私はうつで、通所するまでは自宅ベッドに横になり何の希望も見いだせず天井ばかり見ていた。それが今では就労するという目的ができた。頑張りたい」と語った。
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