小麦研究で知られる横浜市立大学木原生物学研究所(舞岡町)が取り組むクラフトビール作り。昨年から続くコロナ禍によって麦栽培や資金面で打撃を受け、クラウドファンディング(CF)で資金協力を募っている。1月10日には目標額を突破し、春と秋の新たなビール作りに向け動き始めている。
同研究所では2017年に初めて自家栽培のビール大麦を使ったクラフトビールを製造会社のサンクトガーレン(厚木市)で製造し、販売した。昨年3月には卒業や新生活を祝う思いを込め、桜の花と葉を加えた桜餅風味のクラフトビール「KORNMUTTER(コルンムッター)SAKURA」を作った。
だが昨年、コロナ禍で学生の通学は出来なくなり、収穫期となる4、5月に研究や手入れを十分に行えなかった。地元農家の協力で収穫はしたものの、3密回避のため収穫後の人手や管理不足からモルト(麦芽)が作れず、廃棄せざるを得なくなった。さらに、リモート授業で大学再開後も、麦畑での行事や次シーズンに向けた費用捻出のためのビール販売などが行えず、プロジェクトは資金面でも打撃を受けた。
学内外から資金協力
一時は今年のビール作りをあきらめたが「今だからこそ思いをつなげて笑顔と元気を届けたい」と昨年12月にCFを立ち上げた。CFのWEBサイト「READYFOR(レディーフォー)」には学内外から応援メッセージと共に寄付金が集まり1月10日に目標額の60万円を突破。以前に栽培し保存していた小麦を副原料に使い、3月に桜餅風味のクラフトビールを作る。さらなる支援が集まれば、現在栽培している大麦で秋にも新たなビールを作ろうと計画している。理学部3年生の高橋完治さんと鈴木悠斗さんは「ビールと共に明るいニュースを届け、小麦研究を通じてSDGsに貢献したい」と話す。支援は2月1日まで。
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