2021年度のスタートにあたり本紙では林文子市長にインタビューを行った。新型コロナウイルス感染症の再拡大が懸念される中、市長は「感染症対策と経済再生の実現を最優先に取り組む」とし、アフターコロナを見据えた取り組みなどについても言及した。(4月8日起稿)
新型コロナウイルス感染症というかつてない困難に直面する中、年度当初予算として初めて一般会計が2兆円を超え過去最高となった新年度予算について、市長は「市民の皆様の命と医療を守り、市内経済を再生し、そして更なる飛躍につなげることに重点を置いた」と話した。
コロナ禍における「くらし・経済対策」として、ワクチン接種の実施をはじめ、中小企業の資金繰り支援や商店街が行う消費喚起策、文化芸術活動を支援する。さらに子育て・教育・福祉・防災・多文化共生などの施策、デジタル化や脱炭素化の取り組みも推進する。また街の賑わいを呼び戻す施策も展開。「万全の感染症対策を講じ『Dance Dance Dance@YOKOHAMA2021』を開催します」と話す。
接種5月17日の週〜
「コロナウイルスとの闘いに打ち勝つための決め手となり得る」とするワクチン接種については、5月17日の週から公会堂やスポーツセンターで行う集団接種を開始し、病院や診療所での個別接種は6月以降にスタートするとした。予約に必要な接種券は4月下旬から5月中旬にかけ、80歳以上の市民から順に発送される。市長は「一日も早く市民の皆様が日常を取り戻せるよう、感染症対策とワクチン接種事業に迅速かつ確実に取り組んでいく」とした。
事業者支援を継続
コロナ禍が長期化し、市内でも多くの事業者が厳しい状況にある中、「制度融資による資金繰り支援や一時金、感染症対策の設備投資助成などにより、延べ5万を超える事業者をお支えしてきた」とし、今後もコロナ禍での事業継続を支援する。また、小規模事業者への訪問・オンラインによる経営相談、コロナ禍で新たな事業を展開するための設備投資や販路開拓の支援、プレミアム付商品券発行などの商店街が行う消費喚起に向けた取り組みへの支援なども行う。
コロナ後見据え
アフターコロナを見据えた施策については「世界中の人々を惹きつける魅力あふれる都市づくりと横浜の持続的な発展に道筋をつけていきたい」として、カジノを含む統合型リゾート(IR)の実現に向けた取り組みと27年の国際園芸博覧会の開催、新たな劇場整備の検討の3点を進めていく方針だ。事業者選定や区域整備計画の作成などとして新年度予算に3億6千万円を計上したIRについては「国内外から多くのお客様が訪れ、観光の振興、地域経済の振興、財政の改善への貢献が期待できる」と、改めてその意義を強調した。
今夏の市長選「考えられず」
任期満了に伴い今夏実施される市長選については「新型コロナウイルスへの対応、市内経済の再生などに全力を尽くしており、今は全く考えられない」と現時点での明言を避けた。
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