日本の優れた人材や技術を活用し、途上国の貧困削減などの解決に取り組む政府開発援助(ODA)を実施する機関・JICAが先ごろ、ムラタ計測器サービス(株)(秋葉町/以下ムラタ)を、中小企業・SDGsビジネス支援事業の「採択案件」に決定した。
経済発展が著しく進むベトナム。一方で高度経済成長期の日本が経験したように公害発生を危惧する状況でもある。ムラタがJICAに採択されたのは、同国ダナン市にある工業団地内にある産業排水の水質チェックを行うシステムだ。
具体的には、同社が開発した水質汚濁状況などを常時監視できる「テレメータシステム」を水質測定器と接続し、異常値を自動検出できるもの。有害性があるデータが確認された場合は、同国に水質改善の提言をするとしている。
同社は2017年度にJICA同事業の「案件化調査」に採択。これを受け1年間の調査を実施し、自社製品の有用性をつかむことができたことから、対策を提示。今回採択に至った。
「PM2・5」に実績
1972年に創立したムラタ。公害計器の保守管理業務からスタートし、粒子が小さい大気汚染物質で呼吸器系への悪影響が懸念される「PM2・5」の測定を、他社より先駆けて取り組んできた。環境省や全国の自治体から大気汚染調査を依頼されるなど、実績を積み重ねてきている。
同社担当者は「医療は検査で身体の健康チェックをしますが、当社は環境調査で大気汚染や水質汚染のチェックを行う。今後も行政などと連携しながら社会貢献を続けたい」と話す。
JICA担当者は「ムラタさんの実績を踏まえ、大きな期待を寄せている」と語る。
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