県内サッカーチームに所属する小学生が、練習・試合中に災害に遭ったときの避難方法を学ぶ訓練を7月11日、深谷通信隊跡地グラウンドで行った。戸塚区に本部を置く、神奈川ローカルSDGsカップ実行委員会が主催。
企業や一般社団法人、NPO法人、市議会議員などが幅広く名を連ねている同実行員会(武田幸光代表)。新型コロナの感染防止対策により、サッカーに取り組む児童たちが思うように練習・試合ができない状況が続いていたことを受け、場の提供をしようとしたことがこの取組みのそもそもの発端だ。
委員会はその中で、貴重な試合ができるタイミングに合わせて、児童が家と親から離れている際に、災害が起きたことを想定した訓練が重要と判断。さらに、県内企業の環境改善に向けた取り組みも紹介する展示会も実施し、サッカーを通じて児童に「防災」と「環境」を楽しみながら学ぶ機会を設けた。
グラウンドの状況確認
当日は、県内から8チームが参加。児童たちは災害が起こったことを想定し、グラウンドとその周辺の状況を確認するシート「どこでもチェック」を行った。項目の中には「AEDの設置場所は」「救急車を呼ぶときに必要となる、グラウンドがある住所は」「土地の海抜などの安全性は」など多岐に渡っている。
また、試合中には、大地震が発生したとのシミュレーションをし、レフリーが試合を中断、安全な場所に移動する体験演習を行った。このほか、グラウンド内でサッカーゴールがもっとも危険なことから、実際に児童が紐で結んだゴールを倒し、実際の重さを体験した。このほか、災害時の安否連絡に便利な「災害用伝言ダイヤル171」の使い方も学んだ。
児童からは「ゴールを倒すのは面白かったし、重さが理解できた」と話し、武田実行委員会代表は「いろいろなことを考えられる、きっかけとなった」と語った。
中島光徳戸塚区サッカー協会会長は「スポーツ防災の重要性を周知、全国に波及していきたい」と話した。
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