戸塚区民生委員児童委員協議会の会長に就任した 川邉 正子さん 原宿在住 67歳
「人の役に立ちたい」は本能
○…「スポーツ選手がみんなに夢を与えたいと言うように、『人の役に立ちたい』は人間の本能みたいなもの。民生委員も同じ」。昨年末、３年に１度の一斉改選を迎えた民生委員・児童委員。国から委嘱され地域の高齢者などを見守り、支援機関に橋渡しする役割を持つ地域福祉の要だ。42年の長きにわたり活動した前会長の後任として、「”頑張りすぎない”を掲げていた前会長だったので、全然プレッシャーはありません。みんなと力を合わせて気楽にできれば」と明快に笑う。
○…兵庫県宝塚市出身。24歳の結婚を機に戸塚に移り住み、夫の家業を手伝いながら子育てに専念。ひと段落した40代後半で民生委員の肩書を持った。「知り合いが民生委員で、話を受けたときも全然抵抗はなかった」。同じ大正エリアだった前会長とも協力しながら、19年の月日が流れた。過去には見守り対象者などの命を２度救ったことも。独居の高齢者宅で、玄関で何度呼びかけても反応がなかった。「心配で電話をしたら、中で熱中症で倒れていた」。その後看護師に言われた「ちょっと遅かったら亡くなっていたよ」という言葉が耳に残る。
○…元英語教師。コロナ禍の１年半ほど前までは大船で英語の塾講師としても活躍した。趣味は水泳とゴルフ、そして20代から続ける茶道。裏千家の准教授を取得し、自宅には自慢の茶室も備える。「茶道は奥が深く、すべてがおもてなしにつながっているんです」
○…近隣の家には息子夫婦と孫が住み、「さっきも遊びに来ていて」と笑顔に。民生の役割としては「ぬくもり・つながり」を挙げ、「一人暮らしをすると閉じこもり、孤独を感じてしまう人も多い。少しでもそれを解消していきたい」と優しく地域を見つめる。
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