クラウドファンディングを始めた県立松陽高校吹奏楽部で顧問を務める 吉田 直樹さん 泉区在勤 61歳
生徒と共に、精一杯の音楽
○…昨年、再任用で松陽高校に。1年生担任と学年主任を兼任しながら、吹奏楽部顧問も務める。「各パートにプロをつけたり一人一人に記録ノートをつけてもらったり」。着任1年目で同部を変革し昨夏、初の東関東大会出場まで導いた。結果を受け新入生が急増した分、楽器不足が顕著に。「うれしい誤算。いろんな人がクラウドファンディングに協力してくれている」とほほえむ。
○…「母親がレコードで流していて」。幼いころからクラシック音楽が身近だった。中学生になると、いとこの影響でトランペットを始め吹奏楽部に入り、高校まで続けた。「楽器店のツテで頼まれたりして、卒業するころには指揮を振っていたかな」。音楽の道には進まなかったが、指揮者の立場から音楽を作りあげる楽しさに目覚め「吹奏楽がやりたくて教員を目指したんですよ」。
○…初任校から顧問に。同じく音楽に親しんだ妻から「指揮を一から学んでみたら」と助言を受け、吹奏楽や指揮の指導者として著名な故・井上謹次氏から「いろはを学んだ。当時のノートはいまだに見返す」。強豪校視察を重ね生徒との関わり方も追求し、歴任校では数々の大会で入賞。松陽は昨年まで大会実績がなく「着任時、生徒に『なぜ松陽に』なんて言われましたよ」と笑う。しかし音楽の軸はぶれない。「演奏は聞き手があってのもの。何をどう伝えるかが一番大切」
○…仕事もプライベートも音楽が大半を占めるが「昔からクラシックがほとんど。文化祭で聞くJPOPはほとんどわからなくて」と苦笑い。高校の部活動という限られた期間でも、演奏技術を上達させ音楽を楽しんでもらいたいと「生徒と一緒になって精一杯やりたい。結果はその後についてくるものだから」。
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