戸塚区の東俣野小学校と東俣野特別支援学校。両校は扉一枚を隔て、廊下でつながっている「一体型の校舎」であることをご存じだろうか。
普段から活発に交流する両校は10月26日、合同で「スポーツフェスティバル」(運動会)を開催した。
一部の競技・パフォーマンスには両校の児童・生徒が一緒に参加。小さな紅白玉を箱に入れて大玉送りへとつなぐシーンや、手をつないだり旗を振ったりしながら踊る場面では、子どもたちが笑顔で秋の一大イベントを楽しむ姿が見られた。
再開、そして協同の一年
特支の吉田良直校長は「コロナ禍を受け交流を中断していた分、今年は再開の一年」と話す。特に運動会は従来の形を取り戻すのではなく、子どもたち主体の「新たな開催方法」を探ってきた。
小学校の幸保陽子校長は「どうしたら、特支のお友達も参加できるかを児童たちが考えてくれた」と振り返った。
手足が不自由でも応援に使えるグッズ・うちわを一緒に作ったり、手話による競技説明を練習したり、児童の意見から端を発して、新たに実施したことも多かった。
「理解と経験が未来つくる」
さらに、休み時間に相互に行き来できる仕組みや一部の学年による「ペアクラス交流」など、普段の学校生活でも、コロナ禍以前の様子が戻りつつある。
幸保校長は「特支の子ではなく『○○ちゃん』と意識できるようになると、その子のことを思っていろんなアイデアが出るようになる」と話す。
普段の交流の中で吉田校長は「小学校の子たちは素直で障害を『いつ治るの?』と聞いてくることもある」という。子どもの質問を叱るのではなく「きちんと知ってもらうことが大事。理解と経験の両方を得た子たちが、将来のインクルーシブな社会づくりにつながっていく」。
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