セーリング レーザーラジアル級で最年少で日本代表に選ばれた 土居 愛美さん 山手学院出身 18歳
「負けず嫌い」五輪へはばたく
○…2月に葉山で行われた世界選手権選考会で、2位に13ポイント差をつけて優勝。史上初めて、高校生でナショナルチームに選ばれた。「トップ通過したいと思っていた」という若き精鋭。「とにかく負けず嫌い。誰にも負けたくない」と、自信に満ちた表情で語る。5月の世界選手権で結果を残せば、その先に見えてくるのはロンドンオリンピックだ。
○…小学2年生のとき、兄・一斗さんが友人の誘いで始めたヨットに興味を持った。磯子のハーバーまで兄に毎週ついていくと、やがて自分が乗るように。「最初のころは怖くてやめたかった」というが、風を切って進むヨットの魅力を知るまでには、そう時間はかからなかった。「横浜の海が大好き。乗っていること自体が楽しい」。それを教えてくれた一斗さんは現在、福岡の大学でプレーする。「兄をずっと目標にしてきた。今でも尊敬しています」と笑顔で話す。
○…好物は「野菜」。中学時代は華奢(きゃしゃ)な体つきだった。現在はアスリートらしい引き締まった体つきだが、それはこの2年間で「急造」されたものだ。高校2年で転向したレーザーラジアル級は、全身で帆を傾けるなど「重さ」が大切。そこで始まった増量生活は、「はっきり言って辛かった」。食事も運動も、以前からはかけ離れた量。だが、「中途半端は嫌だから」と、17kgもの増量を成功させた。世界ジュニアでは準優勝も経験。大舞台でも「負けず嫌い」の精神を生かしてきた。
○…今春卒業した山手学院では、中学から6年間ダンス部に所属して活躍。オフには自宅で愛犬とくつろぎ、友達と遊びに出かける。ヨットから離れる時間も、強さの秘訣だ。世界選手権を目前に控えた今、苦手とする強い風を克服すべく、練習に励んでいる。意気込みを問うと「私は『挑戦者』。プレッシャーはあまりない」とさらり。あどけない笑顔の中に、気負わない「一流」の風格がのぞいた。