野七里を拠点に活動するサッカークラブ「エスぺランサSC」に在籍していたアグスティン・レオナルド・オルテガ選手(22)が、Jリーグ3部(J3)所属のブラウブリッツ秋田へ移籍することが決まった。アグスティン選手は同クラブから誕生した初めてのJリーガーとなり、新天地での活躍に期待が高まる。
念願のJリーガーが誕生した―。アグスティン選手は1992年生まれの22歳。アルゼンチン出身で、10歳の時に家族とともに来日し、旧犬山小学校(現在の上郷小学校)、桂台中学校、のあインターナショナルスクール(野七里)へ通いながら、エスペランサでサッカーに取り組んだ。
高校では埼玉県の埼玉栄高校へ進学。卒業後には地域リーグ所属のデッツォーラ島根、ウルグアイ2部のCAアテナスなどでのプレーを経験し、昨年までエスぺランサのトップチームに在籍していた。
1月18日には、秋田市内で行われたクラブの新体制発表記者会見に出席。アグスティン選手は「この場に立てることをまずは神様に感謝して、いつもどんな時でも支えてくれた親、家族にも感謝したいと思っています。サポーターの皆さん、秋田県民の気持ちを背負って、必死に1試合1試合プレーしたいと思っているので応援宜しくお願いします」と意気込みを話した。
努力を続け掴んだチャンス
クラブにとっても自身にとっても念願のJクラブへの移籍。しかし、ここまでの道のりは決して楽なものではなかった。
アグスティン選手は20歳の時に南米・ウルグアイ2部のCAアテナスとプロ契約。半年ほどプレーしたが、契約上の問題などで退団し、エスぺランサへ復帰した。エスぺランサのトップチームは昨年、神奈川県社会人サッカーリーグ2部に所属し、無敗での優勝を成し遂げて今年からの1部昇格を決めている。アグスティン選手は中盤でプレーし、積極的な守備だけでなく攻撃にも長け、クラブの躍進を支えてきた。
県1部の上には地域リーグにあたる関東リーグ(1・2部)、そしてその上にはアマチュア最高峰の日本フットボールリーグ「JFL」と続く。プロ選手が活躍するJリーグへの道のりは遠いが、アグスティン選手は「練習を一つ一つ頑張って、自分に自信を持ってやれば夢は叶う」という思いでプレーを続け、何度もJクラブのテストへ参加してきた。
その結果、今回の県リーグ所属クラブからJ3所属クラブへ異例の移籍が決定。兄のホルヘ・グスタボ・オルテガコーチは「朝5時に起きて3部練習をするなど、絶対に諦めないで努力を続けてきた結果。ここからがスタート」とさらなる飛躍を期待している。
家族も祝福
クラブ初のJリーガー誕生に、家族やスタッフも喜んでいる。父親で同クラブのホルヘ・アルベルト・オルテガ監督は、元アルゼンチン代表選手として活躍。オルテガ監督は「Jリーグでエスぺランサの選手を認めてくれて嬉しい。プロ選手を出したいと思ってきて、最初が息子なのは(より)嬉しい」と喜びを表す。
アグスティン選手は「自分が出るゲームを家族が見てくれるのが楽しみ。死ぬ気でボールを取りに行く所を見てほしい」と開幕を心待ちにしている。
J3は3月15日(日)に開幕。ブラウブリッツ秋田は開幕戦で、カターレ富山と対戦する。
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