横浜市が喫煙禁止地区に指定している6地区で、指定が始まった2007年度から昨年末までの違反者に対する過料処分件数が約2万3千件に上ることが分かった。年5千件を超えていた件数は減少傾向にあるものの、依然、ゼロには近づかない状況。危機感を募らせる市では、周知の強化に乗り出している。
横浜市ではポイ捨て・喫煙禁止条例に基づき、2007年度から順次、横浜駅周辺、みなとみらい21、関内、鶴見駅周辺、東神奈川・仲木戸駅周辺、新横浜駅周辺の各地区を喫煙禁止地区に指定し、違反者には過料2千円の罰則を科す。16人の美化推進員が巡回し、違反者からその場で過料を徴収している。同地区内には喫煙所を設けている。
これまでの処分件数は減少傾向にはあるが、今年度も2千件を上回るペースだ。横浜市ではこの間、直接罰として過料徴収を徹底することで、違反をなくす方針を継続してきた。
これに対し、同様の条例を施行する川崎市では、6地区で指定場所以外の路上喫煙を禁止。指導・警告に従わない悪質な違反者に限り同額の罰則を適用し、初年度の06年度から昨年12月までの処分件数は18件となっている。
「ゼロにならず反省」
禁止地区での喫煙を巡っては、東京都の男性が過料処分の取り消しを求めた訴訟で、最高裁が男性の上告を棄却し、処分を適法と認めた昨年6月の東京高裁判決が確定した経緯がある。一方、東京高裁の判決では、喫煙禁止の周知徹底に費用をかけるのは当然との指摘もあった。
市では、市広報の活用や禁止地区内の路面標示・標識の設置等により「一定の周知がされていると判断している」(担当者)との認識を示す一方、処分件数がゼロに近づかない現状への反省も口にし、改めて周知徹底に努めている状況だ。
来街者にもPR
昨年7月からは従来の広報活動に加え、鉄道車両や観光情報誌への広告掲載、都内駅へのポスター掲出など主に来街者への周知に努め、これらの取組みは来年度も続けたい考え。担当者は「喫煙者、非喫煙者に配慮し清潔で気持ち良く過ごせる横浜に」と話している。
市では当面、禁止地区の新設はせず既存地区の周知を進める方針。
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