神奈川県警察学校の校長を務める 野田 次郎さん 相模原市在住 57歳
時代に合わせた指導を
○…神奈川県警察で働く全ての人が、警察官としての技術や知識、体力、心構えなどを養う県警察学校。県内には川崎市と相模原市に分校があり、区内桂町にある本校が全てを総括する。前任地の小田原警察署では署長を務め、昨年9月から学校長に就任。「誉めて育てる、熱い指導を」をモットーに、強く、優しく親切な警察官を育成するために尽力する。
○…出身は大分県で、大学進学とともに上京した。就職時には民間企業も考えたが、「安定していることと、もともと体を動かすことが好きだった」と警察官の道へ。入校式の時には実家から父親が駆けつけたが、「やめて田舎に帰るか」と声をかけられたという。「不安そうな顔をしていたのでは」と振り返り、「自信はなかったが、集団での生活は楽しくなってきていた」と明かす。仲間たちとともに教育訓練に耐え、卒業後は第一線で活躍。「(学校に通う)全員が最初から、ものすごい志を持っていたわけでなはない。自信がなくても大丈夫」
○…本部をはじめ横浜や藤沢、相模原、小田原など35年の勤務で21回の異動を経験。かつては第一交通機動隊長を務め、白バイで箱根駅伝を走ったこともある。自身も教育を受けた同校に学校長として戻ることには「気負いはなかった」ときっぱり。「これまでのキャリアを生かして、将来を担う学生たちを成長させていければ」と冷静に語る。
○…県警で働く誰もが通った「聖地」のような学校は、同期生との絆も強く「絶対に忘れることのできない大切な場所」。学生の不安を解消するために一線で働く若手警察官を学校に招くなど、新たな制度も導入して時代に合わせた指導に取り組んでいる。「大きな声を出すこともあるが、付近の住民の方にはご理解いただければ。県民の皆さまに貢献できる学生を育てていきたい」。これからも県民の安全に貢献する警察官を育てていく。