横浜市は1月31日、2017年度の予算案を発表した。一般会計総額は県費負担教職員の市への移管を受け、過去最大規模の1兆6459億円で前年度比8・7%増。移管分を除いた実質では1・3%減となった。横浜市中期4か年計画の総仕上げの年と位置付ける林文子市長は「喫緊の課題に対応するとともに、先を見据えた投資もしっかりと行う」としている。
過去最大規模の予算編成になった主因は、市立学校の教職員の給与負担などが県から権限移譲されたため。それによる事業費1510億円を除くと、前年度比1・3%減の実質マイナス予算となる。
一般会計の市税の歳入は前年度比33億円増の7193億円。納税者数の増加が予測される個人市民税は59億円増の3003億円とする一方、法人税は企業収益の減少などにより62億円減の501億円と見込む。固定資産税、都市計画税は合わせて34億円増。
歳出では人件費と扶助費(福祉・医療・子育て)、公債費返済を含めた義務的経費は1兆113億円で全体の約6割を占める。
市債は1399億円で前年度比5・4%減に。横浜方式のプライマリーバランス(市債発行額をその年度の元金償還予算額内に留める考え方)は、財政目標とする「概ね均衡」を65億円上回った。
主な事業として、子育て分野では、「妊娠期から産後の切れ目のない支援の充実」(1・8億円)を新規事業として立ち上げる。また、「小児医療費の助成」(100・87億円)では助成対象を小学6年生までに拡大するほか、「いじめ等の解決に向けた取組」(12・49億円)でスクールソーシャルワーカーを増員するなどいじめや不登校などに対応する体制を強化する。
都心臨海部を軸とした機能充実策としては、統合型リゾート施設(IR)の候補地としても注目される山下ふ頭の「再開発事業」(133・66億円)、新たな施設とホテルなどを一体的に整備する「20街区MICE施設整備事業」(0・67億円)などを進める。
また、あざみ野から新百合ヶ丘の延伸を検討する「高速鉄道3号線延伸検討調査等」(1・1億円)などで交通ネットワークの充実を図る。さらに「横浜環状道路・都市計画道路の整備」には382・72億円を計上し、2020年東京五輪までの開通を目指すとした。
17年度は全国都市緑化よこはまフェアやアジア開発銀行年次総会、ヨコハマトリエンナーレなど大規模イベントが続く。市はこうした催しを通し横浜の力を内外に強くアピールし、ラグビーワールド杯や東京五輪にもつなげたい考えだ。
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