今年創立20周年を迎えた「横浜F・マリノス」の監督を務める 樋口靖洋(やすひろ)さん 金沢区在住 50歳
主体性高め、強さ引き出す
○…「今の状態で昨年のJリーグチャンピオンと引き分けたことは大きい」。今月迎えた柏レイソルとの開幕戦で、チーム創立20年目の戦いが始まった。6割程度の完成度というチーム状態で、先取を許しながらも粘って同点に追いついた選手たちの力に手ごたえを感じたという。「目標であるリーグ3位以内、アジアチャンピオンリーグ出場に向け、試合を重ねながら力をつけていきたい」
○…コーチを務めた昨季は一時期首位を走るなど好スタートを切ったが、結果は5位。「チームの調子が落ちた時、立ち返るスタイルが構築されていなかった。今期は”主導権を握るサッカー”を目指しています」。常にボールを取りにいく意識を徹底し、得点チャンスのある相手陣内でゲームを進めるサッカーを理想とする。「選手には生き生きとプレーしてもらいたい。そのために、自分で判断できる主体性をもつことを求めています」
○…チームのジュニア指導に10年以上取り組んできた。4歳児から高校生までの幅広い年代の子どもたちとボールを追う経験は、過去のスター選手が就任することの多いJリーグの監督のなかでは異例の経歴だ。「自分の原点となっています。十人十色の性格があることを学びましたね。人によって伝わり方が違うから、ものの伝え方の大切さを実感しました」。教え子のなかには、現在チームでキャプテンを務める中村俊輔選手も。「やっぱり一緒にできるのはうれしい。彼は当時から考えて練習する子でした」と振り返る。
○…60歳になったら小学4年生に指導したい─が夢だ。「反発を含めて自分の意見を言ってくる年代で面白い。その分、成長度も大きい」と笑う。願うのは、一流の指導者が小学生にサッカーを教える機会を増やすこと。「そうすることで、日本サッカーが強くなると思います」。いち指導者としてサッカー文化の成長を祈っている。
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