ジュニアオリンピック陸上競技大会が10月26日から3日間、日産スタジアム(港北区)で開かれ、富岡中学校の青山夏実選手が走り高跳びで優勝した。8月に行われた全日本中学校選手権大会と合わせ、全国大会二冠を達成した。
決戦の日は雨だった。コンディションが悪く、文化祭などで練習も十分にできなかった青山選手は、「自信はまったくなかった」と大会当日を振り返る。
だが本番前の練習では、他選手が1m45cm程度を跳ぶ中、1m60cmをあっさりクリア。陸上部の顧問・山口芳典教諭は「あれで今日は調子いいと思ったのでは。周りにもプレッシャーを与えられたと思う」と話す。練習で跳んだことで、試合本番は最初から攻めの姿勢に。安全策をとらず、いきなり1m55cmを選び、難なくクリアした。その後もすべて一本目で成功し、自己ベストの1m68cmに迫る67cmで優勝。2位に5cmの差をつけ他の選手を圧倒した。「別次元の跳躍。自己ベストの70cmも跳べそうだった」と山口教諭。青山選手は「思ったより調子がよかった。中学最後の大会だったので、勝ちたかった」と控えめに勝利を喜んだ。
中学で友人に誘われ入った陸上部。走り高跳びを選んだのも「背が高く、手足が長い」という理由で勧められたから。だが跳ぶ感覚が面白く、競技の楽しさにはまった。2年生で初めて全国大会に出場。その跳躍センスと試合勘に可能性を感じた山口教諭は、本格的に指導を開始する。走り高跳びが専門ではない山口教諭は、青山選手を高校生との合同練習に積極的に連れて行くなど、伸ばすための努力をいとわなかった。青山選手は「悪いことはちゃんと叱ってくれるよき指導者」と感謝の念を口にする。
「プレッシャーはあまり感じないタイプ」という青山選手。トップアスリートの試合は録画して見るが、参考にするのは跳び方ではなく跳ぶ前や待ち時間の過ごし方だ。どんな方法でリラックスと集中をし、ベストの跳躍に結びつけるか―。「他の人の跳躍は見ない」「冷えたらストレッチをする。でもやりすぎない」など”自分ルール”を決めて、メンタル面も整えている。
目標とするのは「堂々と自分のことだけ集中してやる選手」。「いつかは日の丸を背負って勝負してほしい」という山口教諭の夢を背負い、高校でのさらなる飛躍を誓う。
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