今年20周年を迎える並木男声合唱団団長の 稲村 徹さん 並木在住 70歳
詞を想い、声響かせて
○…「定年後、何をすることもなく家にいる”濡れ落ち葉”にならないようにねえ」――そんな男たちの会話から始まった並木男声合唱団が今年、20周年を迎える。当時は50歳。第二の人生を考え始めたときに、初代団長らとともに結成した。一昨年から二代目団長として、平均68歳、約50人の団員をまとめる。
○…10月19日に行われる20周年記念演奏会に向けて練習に励む。毎週日曜日は5時間の猛特訓。「楽譜を読めない団員がほとんど。100回合わせてなんとか形になる。でもそういう努力こそ大事にしたいんです」。女性メンバーのいない「おじさんたちの合唱」の中で、来場者を楽しませるためのポイントは「意外性」にあるという。合唱曲だけではなく、振り付けを覚えてオペラ歌劇をしたり、AKB48の曲を歌いながら踊ったり。「なおさら練習は大変」と笑みをこぼす。合唱団の演奏会を楽しみにしているファンは多く、定期演奏会は1800人超が来場。テレビ出演も多数だ。
○…詞に思いをはせて歌う瞬間を、喜びに感じているという。「歌詞は世の中を反映している。その時代の状況を感じながら、より素直に、考えを巡らせることができます」。詞の意味を考えながら歌うことは、技術の向上にも繫がるという考えも。「詞の意味を伝えようという気持ちがあれば、声を響かせて前に飛ばす技術も、おのずからついてくると思います」
○…もうひとつの趣味は並木団地内で結成したソフトボールチーム。10人ほどのメンバーで月に3回、練習を行う。ただし試合の予定はないという。「健康づくりが目的なんです。10年ほど前に健康保険の値上がりがあって、健康でいなくちゃって」と笑う。体力づくりは歌の技術向上にも繫がっているそうだ。「実は、前の団長に誘われたとき、スポーツがしたいという理由で乗り気じゃなかった。今は両方やっていて本当に良かったと言えます」
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