神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

増加するシニア起業家(中) 技術生かし墓石彩る この連載は全3回で、横浜市内におけるシニアの起業について取り上げます。

経済

公開:2016年8月4日

  • LINE
  • hatena
作品を紹介する太田さん
作品を紹介する太田さん

 太田桂(かつら)さん(62)(戸塚区在住)は3年前に「墓石絵 桂」を立ち上げた。

 事業内容は、墓石に彫る絵のデザインだ。まず遺族から亡くなった人の思い出を聞きながら、デザイン画を作る。その後石材店での彫刻を経て「墓石絵」として仕上げる。

 芸術大学を卒業した太田さんは、デザイナーなどを経て、県内の高校で美術講師をしていた。転機は、父の墓を作ろうとしていた、2006年に訪れた。

 「海が好きだった父のため、世界でひとつの墓を」。美術の腕を生かし、爽やかな帆船の絵を描くと、思った以上の出来になった。

 「人生の軌跡をかたちに遺すことで、悲しみを乗り越える力になる」。そう実感した太田さんは「これを人生の仕事にしたい」と、男女共同参画センター横浜が主催する起業セミナーに参加。事業のノウハウを学び、さらに市や各種団体にも協力を仰ぎながら、数年かけて起業にこぎつけた。

「この歳だからこそ」

 最初の依頼主は突然夫を亡くした女性だった。太田さんは遺族の思いに心を寄せながら、「夫の死後に現れた」という黒い蝶や、家族を象徴する5匹の魚を描いた。完成した墓石を見た遺族は、心から喜んだ様子だったという。「遺族の悲しみに寄り添うのは、この歳だからこそできることかもしれない」と話す。

 現在、美術の非常勤講師を続けながら事業をしている。受注件数は年に2〜3件。利益は決して多くはないが「お客さんの喜ぶ顔を見るのは、お金では換算できない嬉しさ」と語る。

 課題もある。パソコンが大の苦手で、顧客とのメールのやり取りも「一苦労」。ウェブでの宣伝にも苦心しているのが悩みだ。

 目標は「年間84件」の受注。大きな数字を掲げるのは、教え子を思う気持ちからだ。「これは人を雇うために必要な件数。美術大を出ても仕事がない教え子が働ける場所にするため、試行錯誤を続けたい」  (続く)

〈神奈川県後期高齢者広域医療連合からお知らせ〉

【75歳以上の方が対象】いざ、健康診査へ!今こそ自分の身体を見つめなおす時

https://www.union.kanagawa.lg.jp/1000011/1000645.html

<PR>

金沢区・磯子区版のローカルニュース最新6

地域一丸で安全・安心なまちへ

地域一丸で安全・安心なまちへ

女子ラグビー・西亜利沙選手が金沢警察署一日署長に

10月30日

中小企業向けに横浜市が省エネ診断セミナー

中小企業向けに横浜市が省エネ診断セミナー

11月29日、横浜情報文化センターで

10月30日

金沢産業団地で秋の祭典「PIAフェスタ2024」

金沢産業団地で秋の祭典「PIAフェスタ2024」

11月8日、9日 ふれあい動物園やタッチプールも

10月30日

衆院選 横浜市内の投票率1位は青葉区

衆院選 横浜市内の投票率1位は青葉区

全体では前回下回る

10月29日

金沢区で11月9日に「第24回いきいきセンターまつり」

横浜マラソンのコース沿道をきれいに

横浜マラソンのコース沿道をきれいに

大会前に磯子事業会、磯子区環境事業推進委員、区役所らが協働

10月27日

あっとほーむデスク

  • 10月24日0:00更新

  • 10月17日0:00更新

  • 9月26日0:00更新

金沢区・磯子区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

コラム一覧へ

金沢区・磯子区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年10月30日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook