横浜開港資料館(中区)で企画展「明治のクール・ジャパン 横浜芝山漆器の世界」が10月23日(日)まで開催されている。貝や象牙などを漆器の表面にはめ込み、花鳥人物を浮かび上がらせる横浜芝山漆器。その伝統の技術を教える唯一の講習会が、区内の横浜市工業技術支援センター(福浦)で行われている。
横浜芝山漆器は、横浜開港とともに欧米諸国で注目され、その精巧さと優美さで人気を博してきた。作品製作には木地師、塗師、蒔絵師、芝山師、彫込師、内張師ら複数の職人が関わる。最盛期の明治時代には、市内に職人が数百人いたといわれる。だが、関東大震災や横浜大空襲で町が崩壊し職人が離散、次第に衰退していった。
横浜芝山漆器研究会はこうした状況を危惧し、技を絶やさないようにと約35年前に講習会を立ち上げ、芝山(象牙や貝などの彫刻)や漆塗りの技術を伝えている。
芝山を教える宮崎輝生さん(80)は、現在ほぼ唯一の存在となった芝山師だ。かつての賑やかさを懐かしみながらも、「一人ですべての行程をこなすのは、大変な仕事」と次代に繋ぐ難しさを話す。
区内外から会に通う生徒は32人。月1回程度、京都府から通う郡奈々子さん(34)は、芝山象嵌を習いたいとインターネットで探し、この講習会にたどり着いた。「子どもや孫の代になった時に日本の技術が絶えてしまうのは、寂しい。宮崎先生の域には到底到達できないが、習った生徒が集まれば何十分の1くらいにはなるはず」と話す。継承の心は確実に育っている。
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