ウイルスをモチーフにしたデザインのマスク、袖口から動物の耳がのぞく白衣、健康状態を聞き出すトリ型ロボット――。あす16日(金)まで横浜市立大学附属病院(金沢区福浦)の3階エスカレーター横に、デザインやアートの視点を取り入れた医療に関するアイテムが展示されている。
これは今年6月、同大学先端医科学研究センター内に設立された「コミュニケーション・デザイン・センター(YCU―CDC)」の初の展示企画。同センターが新たに立ち上げた「クリエイティブ・ホスピタル・プロジェクト」の第一弾で、デザインの力がさまざまな課題を解決する可能性を示唆している。例えばマスクは物理的に感染を防ぐだけでなく、ウイルスそのものをデザインすることで、流行するウイルスを広く伝えたり、周りの人の感染予防意識を高めたりすることを狙う。
医療から社会を変える
YCU―CDCのセンター長の武部貴則教授は、2014年からヘルスケア分野に広告の視点や技術を取り入れた「広告医学」を提唱。広告代理店の電通やデザイン専門校の東京デザインプレックス研究所と連携し、つい上りたくなる「健康階段」や病院の待ち時間を前向きに過ごす「こころまちプロジェクト」を実施してきた。「センターという研究拠点ができ、仲間も増えたので、大きな視点でできるようになった」と広がりを喜ぶ。
目標は「社会から医療を変えること」。病院に限らずこうした思想が広がり、社会全体が変わることを目指す。
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