磯子区杉田在住で県立金井高校(栄区)3年の中野隼斗さん=写真=が8月5日、沖縄市で開かれた全国高校総体(インターハイ)の男子棒高跳びで、5m10の記録で2位タイに輝いた。高校で初のメダルに「これまで頑張ってきたご褒美なのかな」と笑顔を見せた。
同大会の昨年、一昨年の1位記録は「5m」。顧問の尾崎孝教諭によると「5mは高校生の一流選手の1つの基準」。だが今年の決勝はその高さを6人が突破するハイレベルな争いとなった。
中野さんの自己ベストも5mだが、決勝では2回続けて失敗。追い込まれた中、「跳んだことのある高さ。過去の自分に負けたくない」と気を持ち直し、ラストチャンスでバーを越えた。勢いに乗ると、大舞台で自己ベスト更新となる跳躍を見せて表彰台に達した。
春先のケガ越え
中野さんの最大の武器はポールを使いこなす技術とスピード。尾崎教諭は「ポールへの力の加え方がうまく、最大限に反発力を引き出す」と話す。
棒高跳びは小田中学校(金沢区富岡西)時代に顧問の勧めで始めた。先輩もいない中で工夫を重ねる日々だったが、関東大会で3位入賞、全国大会にも出場を果たした。
高校最後の夏にかける思いは強かった。だが3月に肉離れを発症。5月の県大会前に灯った黄信号に「頭が真っ白になった」。そんな時に支えてくれたのは練習記録や顧問のアドバイスが綴られた「陸上ノート」。「これまでを無駄にしないよう、今できることをやろう」。この経験は精神的な成長にもつながった。
秋には国体への出場を控える。「筋肉量がまだまだ足りない。そこを強化し、もっといい選手になれたら」と目を輝かせた。
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