金沢区並木在住の出雲晶子さん(本名/山田晶子・57)がこのたび、「星の文化史事典」(白水社・4400円+税)を著した。太陽や月、惑星、星座から隕石、暦、宇宙論にいたるまで世界各地に伝わる星に関係する物語が2000以上収録されている。出雲さんの担当編集者によると、物語に焦点をあてた星の事典は珍しいという。
この本は7年前に出雲さんが書いたものの改訂版。「当時は事典を書くのが初めてで、かなり苦心した」と振り返る。推敲する時間もなく締め切りになり、「出した瞬間から後悔があった」とも。今回は項目を4〜500増やしただけでなく、前回から載っている話の文章も手直しした。「やっと満足できる内容になった」と胸を張る。
同じ星や星座でも、地域や国によっていわれや物語は異なるため、その地域の文化や考え方、価値観を垣間見ることができる。「特に笑えたのはインドの神話。戦神なのに仙人に負けてしまったり、和むんです」と面白そうに話す。
出雲さんは東京学芸大学教育学部理科地学科を卒業。当時新設されたばかりの磯子区洋光台にある「はまぎんこども宇宙科学館」で新卒採用された。「採用が極端に少ない業界なので、とてもラッキーだった」。同館ではプラネタリウム、広報、科学工作教室を担当。さらに知識を深めたという。「今回の本を通して、いろいろな人が星に関心を持つようになってくれれば」と話した。
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