横浜市は、カジノを含むIR(統合型リゾート)の実現に向けた初の市民説明会を12月4日、候補地・山下ふ頭がある中区の開港記念会館で開催した。林文子市長が横浜市の厳しい財政見通しやIR誘致による経済効果などを説明。質疑ではカジノに対する不安の声が多数寄せられ、林市長は「丁寧に説明し理解を得ていく」と繰り返した。各区で開催予定の市民説明会は、金沢区はきょう19日に、磯子区は26日に行われる。
林市長は今年8月、カジノを含むIRの誘致を表明。最大の理由に年1200億円などの財政貢献をあげた。候補地は47ヘクタールの広大な敷地を持つ山下ふ頭を想定。カジノにはギャンブル依存症や治安悪化などの懸念があるため、市民に理解を得る必要があるとして、来年3月までに全18区で市長自らが登壇する説明会を開催する。一方で住民投票や林市長のリコール実現を掲げるカジノ反対運動も市民や政治団体などを中心に活発化。山下ふ頭を利用する事業者らからなる横浜港運協会も反対の姿勢を示している。
経済効果を期待
説明会当日は、林市長をはじめ小林一美副市長らが登壇。林市長は2019年をピークに生産年齢人口が減少し経済活力の低下や個人市民税が減少する一方で社会保障費は増加すると説明した。その見通しから「戦略的に考えて、お金を生み出していかないといけない」と語り、カジノを含むIRの有用性を指摘した。またギャンブル依存症などの対策として世界最高水準の規制を導入し、市民誰もが楽しめる世界水準のリゾート施設を実現するとした。
カジノ不安、色濃く
直接の質疑応答は行われず、入場時に配布された用紙に記入したものを司会者が無作為に選んで読み上げ、市長らが答えた。参加者からはカジノ抜きのIR実現性や依存症対策を問うもの、また候補地の山下ふ頭と住居が近いことから治安悪化を懸念する声や誘致の是非は市民が決めるべきという意見などが寄せられた。閉会間際には、参加者から市の一方的な説明ではなく「対話」を求める声が上がり、司会者が制止する場面もあった。
説明会は市内在住・在勤・在学者が対象。12月は中区のほか、神奈川区、西区、鶴見区で開催。金沢区はきょう19日に金沢公会堂で、磯子区は26日に磯子公会堂で開催される(それぞれ受付は終了)。
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