金子さんの草花の不思議発見!第42回 オオムラサキとサツキ 変化に富んだ花の色 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇
オオムラサキ(以下「ツツジ」で表す)やサツキの花の色合いは、実に変化に富んでいます。紅紫色、濃ピンク色、淡ピンク色、白色を基調とした単色の花、そしてこれらの花に赤、ピンク、白の絞り模様の花、また一つの花で赤と白が半分ずつや4半分ずつの花等が見られます。いずれも花の組織に赤と白の色素が含まれ、その組み合わせで花色が決まります。また遺伝子の変化で絞り模様になったり、生長点の細胞が2つに分かれる時に突然変異を起こしたりして表れてきます。
一般にツツジはサツキより約1か月早く咲き出します。名の由来の一つに、花が続いて咲いていくため「つづき咲き」、花が筒状になっているため「筒咲き」があります。漢字の「躑躅」は中国の漢名「羊躑躅」(テキチョク)からとったもので、有毒成分を含み羊がこの葉を食べると足踏みして死ぬといわれています。
サツキの原種は渓流植物なので、葉は流水に適した流線型をしています。江戸時代には「杜鵑」(トゲキ)と表しました。現在は、旧暦5月頃(現在の6月頃)に咲くため「皐月」となりました。
![]() 絞り模様(左)と赤白半分のサツキの花
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