磯子区の磯子工業高校で10月31日に行われた文化祭「磯工祭」で、沖縄・守礼門をモチーフにした入場ゲートが設置された。磯工祭当日は、首里城の火災発生からちょうど1年となる日。首里城再建を目指す沖縄の人たちを応援する意味も込め設置した。
同校は、建設科の生徒が授業で身につけた専門技術を駆使し、例年磯工祭のゲートを制作している。建設科は1クラスで3年間同じクラス。3年間担任を務めた浜辺恵一教諭は現3年生が1年生の時に、修学旅行が沖縄ということもあり、ものづくりの集大成として磯工祭で守礼門を制作することを呼びかけていた。
沖縄への修学旅行中止に
しかし昨年、首里城で火災が発生。守礼門は燃えなかったものの、正殿などが全焼した。さらにコロナ禍により4月に予定していた沖縄への修学旅行が中止に。ただ、こうした状況でもクラスで一致団結し首里城の復興を願う気持ちを表したいと、磯工祭で守礼門を制作することを決めたという。
リーダーの大石浩太郎さんと笹田嵩也さん、伊藤渚さんの3人を中心にクラス35人で1カ月かけ制作。国立国会図書館から図面を複写し、地域の大工にも指導を仰いだ。高さ約3m、幅3・8mの守礼門は磯工祭当日の朝に完成した。大石さんは「磯工祭当日がちょうど火災から1年の日というのは運命を感じた。完成したものを見て嬉しかった」と喜んだ。
今年の磯工祭は一般公開が中止に。伊藤さん「思いがこもったものを制作できたので、たくさんの方々に見て頂きたかった思いはある」と振り返った。
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