アマモの生育場になっている金沢区海の公園には、毎年夏場になると多くのアオサが海岸に打ちあげられ、廃棄されている。こうした廃棄海藻をたい肥化などで活用し農作物を栽培する循環型経済の可能性をさぐる研究会が立ち上がった。11月4日に初めてのワークショップが開催され、関係各所を巡った。
海の公園では毎年約100㌧前後のアオサを処分している。その回収・焼却費用は、年間2000万円前後にのぼる。また、海水浴シーズン前にはアマモを間引き一部を除き廃棄している。こうした廃棄海藻をたい肥や肥料として利用できれば、資源循環やCO2削減にも寄与できる。
ワークショップでは海の公園や金沢区釜利谷東の永島農園を視察。海の公園では、研究会の全体像やアマモやアオサについて、たい肥化する場合の課題などが話された。永島農園では、オリーブ栽培の候補地である遊休農地を見学した。その土地で栽培が可能かどうかを検証するため、横浜でオリーブの実験栽培を行う横浜資産研究開発機構の伊藤幸男代表理事が、土壌を持ち帰り分析することになった。
さらによこはまオリーブの試験栽培をしている緑区のいぶき野オリーブ農場などを視察し、最後に地産地消と地域のセーフティーネット構築を兼ねた取り組みを行う青葉区の三丁目カフェで、フューチャーセッションを実施した。
同研究会はたい肥化だけでなく、「これまでにない発想や技術で、より換金性の高い果樹や野菜を栽培する必要がある」と考える。また、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を実現するために、作物からより魅力的な「商品」を開発する必要性も指摘する。
同研究会の中核を担うSDGs横濱金澤リビングラボは、これまでも間引きされたアマモを肥料として使い、みかんや唐辛子などを育てる循環型の農業に取り組んできた。今村美幸代表は「ごみの有効活用で都市農業の持続可能性にチャレンジしつつ、オリーブで紡ぐ地元に根差した循環型経済を構築できれば」と意欲を燃やす。今後はたい肥研究を進め、年度内にたい肥のプロトタイプを作りたい考えだ。
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