新型コロナウイルス感染症の拡大が止まらない。神奈川県医師会(菊岡正和会長)は12月9日、公式サイトで県民に向けた緊急提言を公開。「医療崩壊が目前に来ている」と警鐘を鳴らした。では地元の医療現場はどうなのか。中等症患者を受け入れる神奈川県立循環器呼吸器病センター(金沢区富岡東)の田尻道彦所長に話を聞いた(12月14日起稿)。
「11月も増えていたが、12月からさらに患者が増え、常時30人前後の入院患者がいる状態になっている」と田尻所長は状況を説明する。また、重症化しやすい高齢者の患者も増えており、看護師らへの負荷は蓄積している。同院の新型コロナ病棟は、一般病棟と別棟の結核病棟を活用しし、最大40人(疑い患者用含め)を収容できる。患者が重症化し人工呼吸器などが必要になった場合は、対応する病院に転院となる。
「現状は何とか乗り切っている状態。しかし、重症者を受け入れている市内病院はもっと深刻。転院する患者が市内に入院できず、市外に搬送されるケースも増えている」と指摘する。
通常外来も継続している同院。しかし、定期的な診察を要する患者の来院頻度は、減少傾向だという。一方、肺炎やインフルエンザなどの呼吸器の感染症は肌感覚で例年の半分以下だとも。「マスク着用は呼吸器の感染症にかなり有効だと思う」と話す。
「医療崩壊、間近に」
県医師会は緊急提言で「重症者は12月8日に65人に達し、即応病棟87症を分母とした病床利用率は70%を超えて病床を確保するのが困難な状況」「県発表の病床利用率は最大確保病床200を分母としている現実味のない数字」と指摘。喫緊に必要なのは新規患者を減らすことにつきるとして、「GoToキャンペーンの即刻中止」「不要不急の外出自粛」などを訴えている。さらに、11日にも「医療崩壊の足音が聞こえている」と医療現場の窮状を伝えた。
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