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ギャンブル地獄を脱し、支援者へ 当事者が語る「依存症」 則井博文さんインタビュー

社会

公開:2021年4月1日

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インタビューに答える則井代表
インタビューに答える則井代表

 市がカジノを含む統合型リゾート(IR)誘致を目指す中、社会的関心が高まる「ギャンブル依存症」。金沢区の能見台駅近くにあるプロセス依存症専門自立支援施設「ブルースター横浜」(【電話】045・349・2732)代表で、自身もギャンブル依存症から回復した則井博文さんに話を聞いた。

 --長い間、依存症に苦しんだと伺いました

「17歳の頃、同級生にスロットに誘われたんです。はじめは断っていたのですが、誘われなくなることへの恐怖や疎外感を感じて初めて台の前に座りました。気づけば我を忘れるほどのめり込み、30歳を過ぎるまでギャンブル漬けの生活を送りました」

 --辞めることができたきっかけは

「電気・ガス・水道全て止められて、借金も返せず、家族からも見放され--。医師の診断を受けてようやく自分が依存症と気づき、専門施設にSOSを出すことができました。依存症は自力での回復が非常に困難。あの時、施設に通う選択をしていなかったら、未だに依存症から抜け出せていないと思います」

 --IRの説明会にも足を運んだそうですね

「もしIRを誘致するのであれば、我々も支援策をさらに整えるつもりです。ですが説明会の中で、反対派の方々が依存症の人を『クズ人間』と呼び、治安の悪化を懸念する声を聞いて、依存症に対する誤解があると痛感しました。依存症患者には自分の感情を表に出せない人が多いのです。回復を目指す人たちが生きづらさを感じないためにも、その偏見は無くしていきたい。我々の新たな課題を感じました」

 --依存症には、どのような支援が必要ですか

「依存症になる理由はそれぞれ。個人の特性を掘り下げ、自発的に治療に向き合わせる必要があります。幸いにも、私は依存症当事者。利用者の気持ちに寄り添って、関係を築いていく支援を心掛けています」

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