8月中旬から西日本を中心に続いた大雨に象徴されるように、近年、集中豪雨や台風などによる風水害の被害が深刻化している。一昨年の台風15号・19号が金沢区や磯子区にも大きな被害をもたらしたことは記憶にも新しい。9月1日は防災の日。台風シーズンを前に、今一度、自らできる備えを考えてみては。
金沢区や磯子区は、自然に恵まれている反面斜面が多く、土砂災害警戒区域が多数存在する。また、海に面している埋立地などは高潮の危険性もあり、台風や局地的な大雨の際は注意が必要だ。
いつ起きるか分からない大地震に比べ、風水害は気象・警報情報のチェックや避難準備など、早めの対策をすることで被害を軽減することができる災害だ。日ごろから「自宅付近の危険な場所」「いつ、どこに避難するか」をハザードマップなどで確認しておくことが大切。自宅の安全を確保するため、「屋根などの補強」「風で飛ばされそうなものの固定・片づけ」「窓ガラスの飛散防止対応」「側溝や雨水ますがつまらないための落ち葉やごみの掃除」なども推奨されている。
「避難指示」課題浮き彫り発令に実行34人
今年5月に災害対策基本法が改正され、従来の「避難勧告・避難指示」が「避難指示」に一本化された。分かりづらい併記をシンプルにし、住民の避難行動につなげる狙いだ。
避難情報の制度が見直されてから市全域に初めて「避難指示」が出されたのは、7月3日。市の発表によると、同日午前1時15分に県から土砂災害警戒情報が発表され、対象区域の1693世帯、3512人に避難指示を出した。対象世帯には、メールやFAX、電話のアナウンスなどで指示が出たことが伝わる仕組みになっている。
各区は地区センターなどを避難所として開設。雨が続き、土砂流出の発生によって避難指示を出した区域もあったが、3日午後に同警戒情報が解除されるまで、避難所に避難した人は46カ所、34人にとどまった。避難者の中には対象区域外の人も含まれている。現在、市内には旭、瀬谷、泉、神奈川の4区を除く14区に95カ所の即時避難区域がある。
改善策検討へ
避難者数の少なさは災害避難の在り方や課題を浮き彫りにした。市危機管理室は、近隣の安全な家などへの移動も避難行動にあたるとしつつ、避難者が少なかった点は「指示が深夜で、動けなかった人もいるのでは」と分析。さらに「『大丈夫だろう』と家にいた人もいたはず」という。今回の件を受け「(雨が強くなる前の)日中に呼びかけることも考えたい」と改善策を検討する。
8月の大雨では長崎県雲仙市で住宅2棟を巻き込む土砂崩れが発生し、犠牲者がでた。現場周辺は土砂災害警戒区域に指定されており、当時は避難指示も出ていた。
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