療養生活を送る子どもや家族を支える通所施設「横浜こどもホスピス〜うみとそらのおうち」が11月21日、金沢区六浦東に開所した。コミュニティ型のこどもホスピスの開所は全国で2例目。生命にかかわる病気・状況の子どもとその家族に、暮らしの中で遊びや学びの体験を提供するとともに、地域と接点をもち孤立しないよう支援していく。
開所当日に行われた落成式典は、1部と2部に分かれて実施し、行政関係者や支援者、地域の人々らが出席した。1部には山中竹春横浜市長ら約30人が出席し、開所を祝った。
侍従川のほとりに佇む同施設は、鉄筋コンクリートに木造を取り入れた2階建て。3部屋の個室のほか、キッチンやホール、風呂を設置した。またブランコや手作り照明などの寄付品が随所に配置されている。高い天井と窓を多用し、開放的で温かみのある雰囲気の施設を実現した。
運営は認定NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクトが担い、基本的に日中利用のデイサービスを提供。小児がんや先天性心疾患など生命にかかわる病気・状況にある子どもとその家族を対象としている。医療の提供はなく、常駐する看護師や保育士のほかボランティアも関わり、子どもとその家族を支援。会員登録をした上で、希望などをヒアリングして個別のプログラムを作成し、過ごしてもらう。
同NPO法人の田川尚登代表が特にこだわったのが、2階にある大きな風呂「うみそらの湯」=写真下=だ。子どもの終末期に何がしたかったかというアンケートで、約8割が「一緒にお風呂に入りたかった」と回答した結果を反映させた。天井にはリフトレールが設置され、部屋からリフトで移動できる。また、プロジェクターで映像をみることもできる。
約3千人が支援
一人の元看護師の遺産の寄付から実現に向けて動き出したこどもホスピスプロジェクト。これまで寄付や支援をしてくれた人は3000人以上にのぼる。また、9月にボランティア説明会を開催したところ、約200人の登録があったという。田川代表は「ここからがスタート。それぞれの家族にあった支援の仕方でサポートしていきたい」と話した。また、地域の人の理解を深めたいとして、見学も歓迎している。
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