金沢八景駅の西側に「金沢八景権現山公園」が4月1日、開園した。公園背後には横浜市指定史跡名勝天然記念物の権現山・御伊勢山の樹林地が広がり、豊かな自然が残る。面積は約5300平方メートル。開園は午前9時から午後5時で入園無料(旧円通寺客殿は午前9時30分から午後4時30分)。
この地はかつて徳川家康を祀る東照宮とその別当寺である円通寺があり、江戸時代には多くの参拝者が訪れたと言われている。その参拝客をもてなすため、江戸時代後期に建築されたのが円通寺客殿だ。1868年、神仏分離令によって円通寺は廃寺になったが、最後の僧侶を務めた木村芳臣氏が還俗し、客殿を住居として使用していた。
京急線金沢八景駅のホームから見えた茅葺屋根の建物がこの客殿。公園整備にあたり、解体や調査を重ね、解体した部材を用いて歴史的景観的価値を損ねないよう復元し展示室として公開している。2016年に特定景観形成歴史的建造物に指定。草創当時から、大きな間取り変更や増築がほぼ行われておらず、江戸期の客殿の造りが保存された貴重な建物だ。
東照宮跡や客殿は当時の位置を参考に配置。江戸時代にあった石垣の石を擁壁の一部に使用するなど、「当時の歴史文化が感じられるような整備を心がけた」と市担当者は話す。将来的には、権現山・御伊勢山一帯を市民の森として整備を進めていきたい考えだ。
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