10月に開局を目指す「金沢シーサイドFM」の学生社長を務める 松原 勇稀さん 金沢区六浦南在住 22歳
育てられた地域に恩返し
○…金沢シーサイドFMを立ち上げて1年の間に、約2千人に会い、コミュニティFMの意義や利点を伝え、支援やスポンサーを募ってきた。7月にはラジオ放送事業者の予備免許が交付され、周波数85・5MHzが決まった。「一人でも多くの人に聞いてもらい、他の人に話したくなるような情報を伝えたい」。10月上旬の開局を目指し準備を進める。
○…実家は金沢区六浦にある飲食店。「八百屋のおじさんとキャッチボールしたり、床屋でマンガを読んだり」。朝から晩まで休みなく働く両親のかわりに、商店街の人々が親戚のように関わってくれた。プロを夢見て、金沢イーグルス、中本牧シニアで野球に打ち込んだ少年時代。地元を離れたくて寮のある埼玉栄高に進学したが、そこで気づいたのは、生まれ育った六浦の良さだった。
○…大学は地元の関東学院大に進み野球を続けたが、1年次に練習に行けなくなり退部。「野球うつでした」と振り返る。コロナ禍と相まって、友達にも会わずにおよそ1年間、家に閉じこもる生活を続けた。3年生の春、コミュニティFM設立に取り組む伊藤ゼミを知り、転ゼミ。「まさに自分のやりたいこと。自分に合っている」と思い、社長に立候補し会社を立ち上げた。
○…会社設立当初は自分の「やりたい」という気持ちが強かったが、様々な支援者と出会う中で「恩返ししたい」という気持ちに変わっていったという。さらに、「自分より下の世代に還元したい」と「金沢区子ども連絡協議会」の会長を引き受けた。「最初は忙しいからと断っていたが、やってもらってばかりは違うと思い始めた」。自身を育ててくれた温かな地域を次世代に手渡すため、汗を流す。
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