金沢動物園で8月27日、インドゾウの自動給水装置がお披露目された。開園40周年を記念して取り組んだクラウドファンディングで、800人以上から集まった支援金をもとに製作。ゾウの生活の質を高めるために、いつでも新鮮な水が飲める環境を整えた。
今年3月で開園40周年を迎えた同園。草食動物を中心に飼育し、開園当初から雄のボンと雌のヨーコの2頭のインドゾウを飼育している。
近年は動物たちの生活の質を高める「エンリッチメント」の取り組みに力を入れてきた。ゾウに対しては、四肢への負担を減らすために展示場や寝室に砂やおが粉を敷いたり、自動給餌機の設置などを実施。そうした中で、2頭がいつでも新鮮な水を飲めるようにと、開園40周年事業の一つとしてクラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げた。その結果、1月から3月の約2カ月間で国内外の824人から944万1800円の支援が集まった。
センサーで無駄にせず
これまで2頭のゾウは、日中を過ごす展示場では飼育員がホースであげる新鮮な水しか飲まない状況だった。そこで「飼育員がいなくても、いつでも新鮮な水を飲めるようにしたい」という飼育員らの思いから、製作に向けたプロジェクトがスタートした。
いつでも新鮮な水を飲める環境を整える一方で、「水は大切な資源なので無駄にしない仕組みをずっと考えてきた」とゾウの飼育担当者の一人・安藤正人さんは話す。1年以上に渡って検討を重ねた結果、動物園の檻などを手掛けるテック大洋工業の協力で、赤外線センサーを用いてゾウが装置の正面に来た時だけ水を出す装置が完成した。
27日に行われた除幕式には、地元関係者らが参加したほか、来園者も立ち会った。幕が降ろされると、早速ヨーコが装置の前へ。鼻を伸ばして水を飲むと、来園者から歓声があがった。小國徹園長は完成した装置を前にして「多くの方々のご支援のおかげ。今後も動物たちの生活の質を高めるために、できる取り組みを進めたい」と話した。
同園では9月4日まで、給水装置の完成を記念した特別ガイドを実施している。場所はインドゾウ展示場前、各日午後2時30分から10分程度。
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