園外での活動を重視するトトロ幼稚舎の園長を務める 島根 正昭さん 磯子区杉田在住 76歳
園児と一緒に広い世界へ
○…「普通の人なら大変という経験も、きっと社会に出れば役に立つ」。生きる力を身に付けてほしいと、園外活動を中心とするトトロ幼稚舎を約40年前に開設。飯ごうでの炊事、仕事体験など、保護者らの協力を得て園児が主体的に学ぶ独自の環境を作り出してきた。「自分が楽しいことをやっているだけ。自分の力でできると子どもたちも楽しいし、学びになる」。園児と一緒になって毎日を楽しむ。
○…自身の娘が3歳になる時、通わせたい幼稚園がなかったことが同幼稚舎を始めたきっかけだ。「1日を園内や園庭で過ごす所ばかり。もっと広い野外に出て学ぶ園があってもいい」。最初は妻たちと自宅でスタートし、徐々に共感する保護者が増えると園舎を設置。今では理念に共感した教諭たちと、区内外から集まる約50人の園児と毎日のように園外へ繰り出す。「他とは違うから周りは不思議に思っている人も多いだろうけど、理解してくれる保護者や子どもたちが楽しく過ごせることが大切」
○…小学1年の頃から杉田で暮らす。杉田小、関東学院六浦中高出身で、小さい頃から山や海が遊び場だった。高校卒業後に進んだ北海道大学では、探検部に所属。「研究よりも、スキーや山登り、テントを担いで外にいたような記憶ばかり」。この時の経験が今の園児たちとの活動の礎となっている。
○…自分の足で歩くことを大切にし、同幼稚舎から鎌倉、江ノ島、平塚と区切りながら徒歩や自転車で進み、園児たちは卒業までの3年間で静岡・三島まで横断する。「足は人の土台。どんな子も段々長く歩けるようになるし、歩くからこその出会い、楽しみがある」。先頭に立って、子どもたちを広い世界へ導いていく。
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