横浜金沢文化協会主催の「地元の歴史と防災」で講師を務める 岡 和彦さん 金沢区富岡西在住 71歳
命を守る教訓伝えたい
○…東日本大震災が発生した4日後の2011年3月15日、当時勤めていた鹿島建設(株)を代表して業界団体の合同調査チームの一員として岩手県釜石市入りした。行方不明者の捜索が続く中、線香の煙と白い雪がチラチラし、街中が白い状態だったことを今でも思い出す。道路を通れるようにしたり、がれきを処理処分するなどの復旧復興事業に約5年従事。当時の振り返りと金沢区への教訓を込めた講演会が2月3日に開催、講師を務める。
○…東京都大田区で育ち、昆虫や植物、地層や山などに興味を持つ理科が好きな少年だった。「大地にかかわる仕事」を目指すようになり、早稲田大学理工学部に進学。若者がエネルギーに満ちあふれていた時代で学生運動にも参加した。64歳まで同社に在職。横須賀の海洋研究開発機構「JAMSTEC」の嘱託を経て、現在は都内の建設会社の技術顧問、東北大学大学院の社会人ドクター、金沢区の歴史を研究する「歴遊会かねさは」会員と何足ものわらじをはく。
○…3年前から小田中や並木中などで防災教育を支援。釜石市の中学生が率先避難し、多くの命が助かった「釜石の奇跡」の当事者と学校をオンラインでつなぎ、双方向性のある授業を行う。「中学生は災害時に戦力になれる。行政と連携し、中学生に対する防災学習・教育を推進していきたい」
○…趣味は登山とツーリング。昨年は次男と甲斐駒ヶ岳に登った。1974年に同区に転入。結婚後、一時木更津市に転居、二男二女を育てた。16年前に再び同区へ。能登半島地震後の今、伝えたいことは「明日は我が身。防災は『生き延びるため』に考え備えることが大切。これまでの経験をつないでいきたい」。
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