横浜市は、2023年の市内の観光客数が前年比23・2%増の3600万人、観光消費額が3667億円(同41・3%増)と推計する結果を発表した。客数、消費額ともにコロナ禍前の2019年と同水準で、観光の回復が鮮明となった。
推計は市内宿泊施設の利用者数や観光施設での聞き取り調査などを基に算出。宿泊は約380万人、日帰りは約3220万人と算出した。
観光客数は、2015年以降3千万人中盤で推移していたが、コロナ禍の20年は1629万人と半減。そこから徐々に回復し、新型コロナウイルスが5類移行され行動制限がなくなった23年は19年とほぼ同数になった。
また、23年の宿泊客の平均消費額は4万1558円で22年から1万円以上増え、コロナ禍前を大きく上回っている。市観光振興・DMO地域連携課の担当者は「消費額だけでなく、みなとみらい周辺のホテル開発などで雇用も増え、客室稼働率も順調に推移している」と分析している。
MICE誘致にも注力
また、さらなる観光客数増加に向け、今年度も大規模イベントを企画するほか、民間イベントとも連携。デジタル技術を活用したマーケティングの強化や、国際会議や展示会などMICEの戦略的誘致も加速していきたいとしている。
一方で、今回の推計では日帰りの平均消費額は、23年で6480円と22年から1割以上増えて回復基調にあるものの、コロナ禍前の7千円台後半にはまだ差がある。横浜の観光まちづくりを担う(公財)横浜市観光協会の担当者は「観光客の方々に回遊していただく取り組みが必要」とし、官民一体で観光によるまちづくりを推進していきたいとしている。
市は観光消費額の目標値として30年に5000億円を掲げる。担当者は「市内経済の活性化のためにも観光消費額を伸ばすことが重要。様々な取り組みで魅力を高めていきたい」と話した。
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