能登半島地震の復興を支援しようと、金沢区の有志たちがチャリティーコンサートを企画している。きっかけは金沢区で暮らし、今年6月に急逝したオペラ歌手の「今こそ地元一丸となったコンサートを行い、復興支援をしたい」という思いから。残された実行委員たちが遺志を継ぎ、9月の本番に向けて準備を進めている。
コンサートを発案したのは、世界で活躍したオペラ歌手の故・島村武男さん。大阪府出身で、東京藝術大学、同大学院を修了後、ドイツの歌劇場で専属のバリトン歌手として活躍。帰国後も新国立劇場などのオペラ公演に出演していた。今年元日の能登半島地震発生直後から、「地元一丸となったコンサートを行い、復興支援をしたい」と、チャリティーコンサートの企画が始まった。
金沢区にはあまりなじみのないオペラを通じて能登半島を支援し、子どもたちに芸術の力を伝えることなどを目的に、区内で音楽活動を行う有志らで2月に実行委員会を発足。島村さんと同じ大阪・生野高校出身の縁から鈴木達洋さん=人物風土記で紹介=が実行委員長を務めることになった。
地域に根差す音楽を
クラシック音楽の本場、ヨーロッパなどでは、プロの音楽家が地元でミニコンサートを開くなど地域に根差した活動をしているが、日本ではそうした活動が根付いていないため、子どもたちに本物のオペラを体験し、生の音楽に触れる機会を設けることもコンサートの目的とした。そのためコンサートには子ども100人を招待するために、趣旨に賛同してくれる人から寄付を募ること、100人合唱団を結成することも決めた。
公演に向けた準備が進む矢先の6月6日、島村さんが急逝。亡くなる前日に島村さんの病床を訪れた実行委員の一人は「もしも私が歌えなくなっても全て弟子たちに託してある」と聞かされたという。亡くなった直後に開かれた実行委員会では、島村さんの遺志を継いでコンサートを実現させることで全員一致。7月中旬には金沢区在住者約60人をはじめ、磯子区や都内などから約100人の合唱団メンバーがそろい、8月から練習を本格的に始める。
コンサートは9月29日(日)に金沢公会堂講堂で開催。午後1時30分開演。全席自由3000円。オペラ歌手による子どものための「ヘンゼルとグレーテル(抜粋)」、ヴェルディ「『ナブッコ』より 行け我が想いよ、黄金の翼に乗って」、オペラ歌手・大井哲也さんによるビゼー「『カルメン』より 闘牛士の歌」ほか。収益金は能登半島地震復興支援に寄付される。(問)黒川事務所【電話】045・781・9580
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