1923年9月1日に発生した関東大震災は、磯子区にも大きな被害をもたらした。夏には海水浴場でにぎわった磯子には料亭が建ち並び、なかでも敷地が広く、多くの従業員を抱えた割烹料亭店「偕樂園」(現在の磯子三丁目団地付近)は、崖の倒壊により、建物に押しつぶされ、約20人が圧死などにより亡くなったと伝わる。
1929年9月1日に偕樂園の経営者である島田家が、金蔵院=磯子区磯子=に慰霊碑「大震災横死者碑」を建立した。島田家は菩提寺だった金蔵院に用意した石碑を持って、院内に置く依頼をしに訪れたという。
石碑の正面には「大正12年大震災横死者碑 偕樂園」の文字、背面には死者11人の名前と建立日が刻まれている。
金蔵院の眞田有快住職は「もう3代も前のことだが、震災について考えるきっかけになったら」と話した。
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