横浜市は11月7日、東漸寺=磯子区杉田=の「木造釈迦如来(もくぞうしゃかにょらい)および右脇侍像(みぎきょうじぞう)」など3件を、市指定文化財に指定することを発表した。
東漸寺のほかに指定が決まったのは、宗教法人大本山總持寺=鶴見区=が所有する宗祖である道元(1200〜1253)の直筆とされる写経と、西教寺=南区=の本堂の2件。
中世彫刻の特徴的形式
東漸寺の「木造釈迦如来および右脇侍像」は、神奈川県指定重要文化財の「釈迦堂」が建築されたと考えられる1301年に近い時期に作られた。鎌倉周辺地域の中世彫刻に特徴的な「法衣垂下」の形式が見られるなど、市の美術史、文化史にとって貴重な作品とされた。
總持寺の「仏垂般涅槃略説教誡経(ぶっすいはつねはんりゃくせっきょうかいきょう)(仏遺教経(ぶつゆいぎょうきょう))伝道元筆(でんどうげんひつ)」は、道元の自筆写経と伝承されている。總持寺が600年以上大切に保管してきた貴重な資料で、道元の自筆本が少ない中、高い価値があると評価された。
「西教寺本堂(さいきょうじほんどう)」は、関東大震災の復興事業で1931年に再建された建物。鉄筋コンクリート造りながら、伝統的な浄土真宗本堂の意匠が取り入れられており、近代的な寺院建築の貴重な実例として評価された。
正式指定は25日
決定は横浜市文化財保護審議会の答申を受けたもの。3件が正式に指定されるのは、11月25日となる。関連イベントとして市歴史博物館=都筑区=では、来年2月8日から3月16日まで「横浜市指定・登録文化財展」を開催予定。
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