金沢区六浦東の横浜創学館高校1年の斉藤健心さん(16)が、総合格闘技の「RIZIN甲子園」で決勝戦に出場する。決戦はRIZIN大みそか大会のオープニング。憧れの舞台へ「多くの観客の前で自分の名前を轟かせたい」と意気込む。
150人が参加
同大会は15〜18歳の男子を対象にした、総合格闘技の未来のスター選手発掘のためのプロジェクト。決勝戦は、大みそかにさいたまスーパーアリーナで行われるRIZINのオープニングファイトで開催される。優勝者には、RIZINとのマネジメント契約や奨学金・遠征費(300万円)が特典として贈られる。
大会には、日本全国から書類審査を突破した約150人が参加。8月に行われた2回のトライアウトを勝ち上がった8人で、11月に準々決勝・準決勝が行われた。
空手とブラジリアン柔術で戦う斉藤さんは、8人の中で最年少ながら決勝戦へのチケットを掴んだ。準決勝の対戦相手は優勝候補と目された強敵。「試合前から相手は『勝って当然』という雰囲気だった。やってやるぞという強い気持ちで挑めた」と奮起し、得意の打撃を生かして試合を優位に進めた。結果は3―0の判定勝ち。「自分らしさを出せた。応援してくれた仲間や家族が喜ぶ顔を見ることができて嬉しい」と振り返った。
斉藤さんが通うブラジリアン柔術道場カルペディエム横浜=都筑区=の長田雅仁代表は、「日本中から精鋭が集まった中でここまで勝ち上がったのはすごい」と愛弟子の活躍を称賛。大会を通じて成長していったといい、「技術はもちろん、精神力や粘り強さが勝利につながった」と話す。
応援を力に
今まで家族と一緒にテレビで見てきたRIZIN。昨年は会場で観戦し、「まさか自分がリングに立つ日が来るとは」と笑顔を見せる。決勝進出が決まると、スマートフォンにはたくさんの祝福や激励のメッセージが。「応援してくれる周囲の存在がいるからこそ頑張れる」とエールを力に変えてリングに向かう。
対戦相手は、柔道出身の横内三旺さん(18)。斉藤さんは「打撃も寝技もしっかり準備して、相手を圧倒したい」と気合をみなぎらせる。「大人数が見る大会で優勝して、自分の名前を轟かせたい」。大舞台で自らの力を証明する。
空手と柔術の二刀流
兄と姉の影響で物心ついたころから、極真空手を習い始めた斉藤さん。めきめきと頭角を現し、2017と18年には世界大会を連覇した。「両方やるのは珍しい」というなか、中学からは伝統空手にも取り組んでいる。スピードや駆け引きがより重要になる伝統空手も始めたことが、「自分だけの武器になっている」と話す。
中学では、空手道部に入部するため西谷中=保土ケ谷区=へ越境。3年時には主将を務めた。技術はもちろん「礼儀や精神面など、人間力が一番成長した」と3年間を振り返る。
現在は、横浜創学館高の空手道部に所属。週6日の厳しい鍛錬の日々を過ごす。「高校では周りのレベルも格段に高くなった。もっと自分も強くなりたい」と、武の道を極める。
カルペディエム横浜には2年前から通う。ブラジリアン柔術では寝技のほか、空手とは違った思考力も求められ、「両方を鍛えることで、総合格闘技で戦う力が身についた」と話す。
夜遅い練習時の送迎など、成長を支えてきたのが家族の存在だ。戦いに欠かせない身体づくりでは、父・宏明さんが手料理で”食トレ”をサポート。一番のお気に入りは唐揚げだ。「試合は家族みんなで、いつもドキドキしながら応援している。決勝戦も怪我なくやり切ってほしい」と母・洋子さんは話す。
将来の目標は、アメリカを拠点とする世界最高峰の格闘技団体UFCの舞台。「活躍して誰もが認めるような選手になりたい」と力強く語る。
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